研究を続けていればまた会える

午前中は大学院教務委員会。水木の午前中はだいたい委員会か打ち合わせが入るので、ほとんど研究室の論文紹介に参加できない。自分は金曜日が空いているのだが、金曜日は M1 の大学院の授業があるので論文紹介を入れられなかったのである。

お昼は学内の委員会の打ち合わせ。来週が会議なので原案を作成する必要があり、対面でやった方が早い作業だったので、1時間強ほどかけて2人で作成(あとで3人でダブルチェクして会議にかけるのである)。こういうのは整数線形計画問題にするのが最適化の常道だろうが、制約を考慮して貪欲に決めていってグローバルなバランスを見て微調整を繰り返して最終案とする。結局会議で審議した結果によって変わるだろうし、とりあえずたたき台を作るのが主眼なので……。

午後は打ち合わせの結果を整形。集計したり、可視化したり。特に絵心があるわけでも、こういう細かい作業に向いているわけでも、こだわりがあるわけでもないので、淡々と制約をチェックするテストを(Excel で)書いていくだけの作業。

夜は University College London (UCL) の Jason Naradowsky さんを招いてトークをしてもらう(内容は非公開)。彼とは NAIST 時代に在籍期間が被っていて、彼が博士の学生だったときに一時期松本研に滞在していたのである。その後 COLING 2012(ムンバイ)で再会したり、国際会議でも会ったりして、お互い研究を続けているとこういう形で会ったりできるのがいいなと思う。

トークの後、豊田駅で懇親会。トークを聞いたのは10人以上いたのだが、懇親会の公用語は英語ね、と言うと来る人が激減してしまった(汗)毎年1-2人くらい海外に行く人が出てくると、研究室内で英語を公用語にしやすくなると思うのだが、少しずつやっていくしかないかなー。とりあえず10月に香港から1人留学生が博士後期課程に来る予定なので、研究室内で段階的に英語を使う機会を増やしていきたい。

とりあえず今年の夏季の大学院入試では TOEIC 550点未満の人の出願をお断りしたが、段階的にこれは TOEIC 650点未満まで増やしていく予定である。内部進学の学生は仕方ないと思うが、外部から来る学生で英語力が低い学生を受け入れる理由があまりない(研究室内の論文紹介が英文読解教室になるのは避けたい)ので……(無茶苦茶プログラミング能力がある人ならそれはそれでいいのだが、現在のうちの大学院入試は数学と英語と面接なので、プログラミングができても英語力が低い人が受かるようにはなっていない)。

帰りが中央線だったので電車の中でいろいろ話したが、ポスドクになってから研究テーマを決めるのが大変だった(長い間、サーベイして実験しても成果が出ず放棄、ということを繰り返した)とか、深層学習をやらないといけない雰囲気になったけど計算機環境を揃えたり細かい調整をしたりするのが大変(新しいネットワーク構造を提案したら論文は書けるが、性能が高いのは単にいいパラメータを見つけただけかもしれないし、本当にそれが価値のあることか分からない)だとか、企業との共同研究でデータが使えるかと思ったら使えなくて困った(自分で集めてもいいが、それはすぐ論文が書けるような成果にならないので、できるだけやりたくない)とか、研究室運営の話とか、研究の世界はどこも同じなんだなぁ、と思ったりする。UCL は日本ではあまり知っている人が少ないかもしれないが、世界トップ20に入る常連校なのだが、それでも同じような悩みがあるなら、今の日本の大学の環境でぼやいていたりもできないな……。

また EMNLP(テキサスのオースティン)か COLING(大阪)で会おう、と別れたが、どちらかにはうちからも論文が(できれば複数本)通るといいな〜。COLING は論文が通らなくても聴きに行くとは思うが……。