1年を思い返してまた明日

毎年恒例であるが、今年の振り返り。
1-3月

  • 首都大に来て初めての言語処理学会年次大会の投稿で、NAIST 時代同様であるが、自分より後ろにバックアップの人がいないので、かなりのエネルギーをかける。実験結果はあまり期待通りでなかった研究もあり、見込みのあるアイデアを出さないとダメだな、と反省。
  • 年次大会の原稿(卒論)をベースに英語化していくつか国際会議に投稿(本人の希望で、投稿を見送った原稿もある)。結果的に投稿したものは全て採択され、こっちがびっくりしたのだが、チャンスにチャレンジする、という学生たちの姿勢に感動。あまりチャレンジしなくなってきていたが、研究は挑戦してなんぼだと改めて思う。
  • 京都で開催された言語処理学会年次大会に参加。今回はワークショップを含めて5件の発表だったが、来年は倍程度の発表がしたい。今回は発表することに意義がある感じだったが、来年以降は優秀発表賞など各種賞にノミネートされるような、しっかりした研究をしていきたい。あと、2泊3日の参加で、恐らく今後もずっと最大2泊3日の参加になるだろう。

4-6月

  • 学部生が全員内部進学し、外部からさらに4人来たので、M1が8人という未曾有の体制。新しく4人の学部生が配属されたので、合計8人の新入生。基礎勉強会は全部 TA にやってもらっているので、助かる。
  • オートマトンと言語理論」の前半部分(正規表現)、去年は(育児のため)分担していただいていたので今年は初の担当。教科書がしっかりしているので準備にそんなに時間はかからないが、小テストの採点と返却が面倒くさいので、来年度への反省事項。
  • NL 研で動画配信を本格化する。Ustream で配信していたのを途中からニコニコ生放送にしたり。現地参加する人数と同じかそれ以上の人数が視聴しており、現地参加できない方々から評価していただいた。

7-9月

  • NL 研で2件の発表。NL件の発表デビューでもある。ここで発表したネタはその後いずれも国際会議に投稿できた。研究室初めての学生と共著の査読付き国際会議で、感慨深い。どちらも小町がネタを考えたわけではなく、タスクから実装から何まで学生が自分で進めてくれたもの。
  • ACL-IJCNLP 参加のために北京へ。1年ぶりの国際会議。2泊3日という弾丸日程だったが、参加してよかった。世の中の雰囲気が分かるので、やはり年に1回くらいはトップカンファレンスに参加するべきだと思った。
  • 若手の会、NL 研の発表をもとに LREC に2本投稿。B4 でも投稿できるということが分かる。次は 夏休み前の B4 でも投稿できるか?ということにチャレンジしてみたい。(B3 から研究室に来てくれている人ならできそう?)

10-12月

  • 学部3年生と研究するという試み(授業の一環)をスタート。アノテーションの議論とか、よく分からないだろうけど、こういうのが研究だ、というのが伝わるといいな。データの性質に関しては、アノテーションしている学生の方が詳しいので、いろいろ教えてもらえるのもいい。
  • 進捗報告が本格化し、おもしろくなってくる。特に深層学習関係は、実装や論文について学生の方が詳しい、というバランスが研究としてはちょうどよいと思う。もちろんデータについて詳しいというのが一番重要。
  • 言語処理学会年次大会に10件ほど投稿する予定で準備。学生数が2倍になったので、投稿件数も2倍である。NAISTにいたときは最大8件の投稿だったようなので、それより多いというのは未知の領域。1/3は学生にチェックをお願いしているので、これでどうか様子を見て来年どうするか試行錯誤。

娘はこの1年で0歳から1歳になり、立って歩くようになったり、言葉を話すようになったり、ものすごい成長である。4月から保育園の送り迎えを自分がするようになり、仕事に使える時間が大幅に減ったのだが、大きな病気もなく、特に手間がかかるわけでもなく、ありがたいことである。助教でもっとも仕事をしていたころは週60時間働いていたのだが、今年の4月からの半年は週35時間に激減し、いまは週40時間に戻っている。週60時間のころと比べて2/3の仕事ができる、と行けばよいのだが、実際は最低限やらないといけない本務がそこそこのボリュームあるので、本務を除いてできる残りのエフォートはほとんどなくなってしまった。
自分で研究するのは早々に断念しているわけだが、研究費を頑張って獲得したり、学外の勉強会や学会に参加したりするのも諦め、研究は学生に(外部の勉強会は学生に行ってきてもらって研究室に還元してもらい)、研究費は分担者・企業の方々にお任せし、勉強会はウェブ開催のときのみ参加、みたいな感じで時間を減らしているのだが、あと減らせるのはなんだろうなぁ。そもそも必要なメールの返事ですら滞っているので、新規の仕事を受けるのは凍結しているのだが……。