D論はマイ哲学を語るもの

今年最後の補佐員さんのいらっしゃる日なので、いろいろお願いする。やってみたらそこまで作業量は多くなく、本丸は来年なので、来年に少し多めに来ていただくように調整。自分も3年目にしてようやくどういうサイクルでやればいいか分かってきた感じ。いつも「学生がすればいいことまで、先生がやり過ぎなんですよ」と言われるが……。

午前の言語学習支援勉強会は1時間ほどで終了。年明けは [twitter:@moguranosenshi] くんが戻ってくるので、また勉強会も変わるだろう。

午後は機械翻訳勉強会だが、サーベイ報告やら言語処理学会年次大会に向けた進捗報告を聞いていたらあっという間に2.5時間。サーベイ報告部分の時間を圧縮できたらいいのだが、そもそもこれは構造的な問題で、新入生が本格的にサーベイをするのが10月から、というのがよくなかった(最初は論文をそこそこの量読まないと、まずちゃんと読めない)ので、来年度は前期からサーベイをスタートできるように勉強会を微調整する予定。

夕方は hiromi-o さんの公聴会NAISTSkype で接続して参加。hiromi-o さんは、自分が M2 のときに D1 で入学されてきたのだが、日本語教育修士号を持っていて、博士後期課程から入学したので、自然言語処理部分でかなり苦労されて、紆余曲折があって今年ようやく論文誌の採録が決定し、博士号の取得に向けて動き出した、というわけである。

自分自身、学生のときは全く言語教育・言語学習への自然言語処理応用の研究には関わっていなかったので、研究的には hiromi-o さんと接点はなかったのだが、助教になって1年してから日本語学習者の誤り検出・訂正の研究をするようになって、研究的に一緒に論文を書いたりするようになったのである(その時には、すでに hiromi-o さんは NAIST を離れられていたが)。あと少しタイミングが違ったら、博士号取得が数年早かったかもしれない、と思うと申し訳ないが、助教になる前にはこういう研究をするとは全く考えていなかったしなぁ……。

自分が博士論文を書いたとき、公聴会で Patrick Pantel さんに言われたような気の利いた(?)質問はできなかったが、日本語教師というバックグラウンドと、自然言語処理で博士号を取得する、ということの両方を意識して、今後同じような人の参考になるような博士論文を残してほしいと思うので、終わった後もいくつかコメントをしたり。質問力をもっと上げないとな〜

夜は統計数理研究所に移動し、共同研究のミーティング。一応デモが動くようになったので、それを囲んでいろいろ意見をいただく。想定したように動いていないがなぜか、とか、計算が遅いがどこがボトルネックか、とか、実装面でトラブルシューティング。こういうデモを作ると、計算量的にどこが律速になるか、ということをよく意識するので、練習としては割といいのだと思う。しかしこのミーティング、豪華アドバイザで、こんなところにこんな時間を使っていいのだろうか、とちょっと申し訳ないが、自分も勉強になることがあるので、通勤の帰り際に参加できるなら、ありがたく参加させてもらおう……。