就活のスタート時期が早過ぎる

午前中、今年最後の授業、と言いたいところだが、木曜日に補講がある。就職活動(面接)で出られない、という連絡をもらい、休むこと自体は別によいのだが、こんな時期からバンバン面接やら何やらを入れる企業に少々疑問を抱く。

夏休みや冬休み、春休みなど、授業のない期間や、M2 になって単位を取りきったあとなら分かるのだが、M1 の10-12月はほとんどの場合まだ取得しなければならない単位があるし、授業も終わっていなければ研究も本格的にスタートしていないのに選考をする、というのは、大学院で身に付ける能力は重視していない、ということの表れなので、あまりよい印象ではない。しかも、この時期から選考が始まるということが一般化すると、入学したら研究せずにひたすら単位を取り、夏休みには研究と関係ないインターンシップに行きまくり、秋になったら研究せずに就職活動、みたいな学生が常態になりかねないので、いくらインターンシップに行くことを奨励している自分ですら、これはまずいと思っている。

学生の立場からすると、早めに内々定を出してくれたら気が楽になるし、自分のことを評価してもらえるのは嬉しいだろうし、研究に集中できるからありがたい、という(奇特な?)人もいるかもしれないし、一概に悪いとは言えないのだが……。

企業からすると、採用のコストは余分にかけるとして、優秀な学生を青田買いしたい、という動機も分かるので、やはり1月くらいから説明会やエントリーシート、2月くらいから面接やら何やら、というようなスケジュールが一番妥当なのではないか?

午後は研究室のサーバ設置。CPU は Xeon E5-2697 v3@2.6GHz 14コアx2、メモリ512GB、GPU は Tesla K40 を4台、という計算機(400万円)を発注していたのだが、年末も押し迫ってようやく届いたのである。ぶっちゃけ GPU 部分が高いのだが、TITAN X とパフォーマンスそんな変わらないようなので、次 GPU が必要なときは TITAN X で揃えるかなー。1/3の値段で買えるので……。

夜はコース忘年会(遅刻しての参加だが……)。研究室は何人くらいまで OK ですか? という話題になったのだが、自分はやはり20人くらい(B4=4人、M1:M2=6:6人、D=3人)かなぁと思う(社会人博士など、研究室に座席がなくていい人は除く)。新入生が多いと大変なので、外部から来る修士の学生は3人まで(今年は留学生がいなかったので4人受け入れたが)とか、なんとなくこれを超えると厳しいという感覚がある。

新入生が大変なのは、初めて論文を書くときに時間がかかるということで、その意味では B4/M1 の区別はないのだが、B4 は M1 以上の人にメンターをお願いできるし、授業がないので研究に時間を使えるのに対し、M1 は授業やら就職活動やらに時間を取られるので、博士後期課程に進学するつもりが最初からない人を修士から4人以上受け入れるのは、うちの体制では負担が大きくて維持できないと思う(博士まで進学するつもりなら、就職活動の時間がないのでいいけど)。個人的には、自然言語処理の研究室の数はそんなに多くないし、選択肢として用意してあげたいという気持ちは重々あるのだが、現実的に今仕事の量を減らしている状況では、申し訳ないが他の研究室をお勧めせざるをえない、というところである。子育て期間が終わったら、元に戻せると思うのだが……。