新しい研究テーマはおもしろい

午前3時に起きて少しメールを読み、残りはひたすら研究費の申請書作成。さすがに今年はちゃんと取らないといけないと思うので、手持ちのネタを一つ増やす。

これまでの経験上、研究費の申請を通すのに最も重要なことは、この研究費が取れなくてもこの研究をやり遂げる、という信念であって、実はこの2年(半)はそういう信念がなかったので、研究費の申請は10連敗くらいしているが、それも当然だと自分でも思う。自分のケースでは、通ってしまったらこの研究をやらないといけないが、大丈夫か?などと考えている間は、どう転んでも通らないものである。

ちなみに今は割と研究室の研究テーマの方向性が固まってきたので、総攻撃をかける準備をしているような感じで、通ろうが通るまいがこの方向で行くだろうし、外部資金が取れなくても、本学では基本研究費や傾斜的研究費と呼ばれるいわゆる校費を注ぎ込んで続けるであろう。(といっても最低限必要なのはせいぜい旅費と論文の掲載費だが)

出勤し、午前中は言語学習支援勉強会と機械翻訳勉強会。研究室内で JavaScript 勉強会の機運が高まっているらしいが、インダストリアルアートコースに詳しい人がたくさんいそうな雰囲気。

インダストリアルアートコースは2006年にスタートしたらしいが、首都大になる前は1年生から日野キャンパスで学んでいて、他のコースの授業を含めてみんな150単位くらい取得していたそうなのだが、首都大になってから1-2年は南大沢で過ごすことになり、かつ年間の単位取得制限ができてしまった(あと GPA 導入)ので、たくさん授業を履修したり、他コースの科目に出たり、ということがなくなっているらしい。もったいないことである。インダストリアルアートとは、もっと乗り入れしたいと思うのだが(アートの学生が取りたいような授業を情報通信システム側であまり提供できない気もするが)。

お昼は教務関係のお仕事。この1週間、メールベースで作業してきたが、2時間全員が集まってポストイットと模造紙で作業すればすぐ終わるのでは?と思わなくもなかった。言語処理学会年次大会のプログラム編成も、驚きのアナログ作業なのであるが、個々の項目について詳しく知っている場合は、それが最も効率がよいのかもしれない。(詳しく知らない場合は、最適化問題として自動化してよいのではなかろうか)

午後は情報抽出勉強会と深層学習勉強会。深層学習勉強会は毎回勉強になるのでおもしろい。各地で「これは一人で追いかけるのは不可能」という声を聞いているが、確かにその通りで、とにかく大人数でフォーカスを絞ってサーベイ・議論・実装しないと厳しいが、みんなでワイワイ勉強しながら手を動かすのは計算資源の問題を除くと楽しいものである。

また、新しいトピックであるがゆえに、自動的に学生の方が教員より詳しくなる、というのも大きなポイントで、常々「研究テーマについて、学部生は研究室内で一番詳しい人に、修士は日本で一番詳しい人に、博士は世界で一番詳しい人になってほしい」と伝えているのだが、少なくとも研究室内で教員よりは詳しくなれる、というのがすばらしい。教員ではなく先輩や同期、場合によっては後輩が競争相手だったりするのも、よい循環を産むと思う。

夕方は少しだけ研究室インターンシップの打ち合わせ。学部3年生が仮配属されるので、研究室体験をしてもらう、というもので、1年目は機械学習の教科書の輪読、2年目はプログラミングの教科書の輪読を研究室メンバーと一緒にしたが、今年は普通の(研究のサーベイ報告や進捗報告をする)勉強会をやる予定。というのも、今年度は B4 の人たちに NLP 若手の会シンポジウムに向けて読解支援勉強会で研究を進めてもらったところ、全員が半年間の研究成果を発表することができたので、これは学部3年生でできない理由はないな、と思ったからである。

本当は言語処理100本ノックみたいなものを毎週やる方がいいのかもしれないが、新入生 向けの基礎勉強会は毎年前期に集中してやることにしているし、そちらは研究室メンバーには(TA 以外)利益のない勉強会になってしまうので、どうせやらないといけないものなら、みんなが勉強になるものにしたい。

夕方は南大沢に移動して国際副専攻委員会に出席。首都大でも2年次から3年次にかけて半年から1年間の留学が必須のプログラムを用意し、入試から別枠で実施しているのだが、システムデザイン学部はまだ導入していないので、オブザーバーとして参加しているのである。