問題を解くと案外腑に落ちる

午前4時に起きてメール処理したり授業の準備をしたり。最近は2-4時に起きるのだが、一度暖かくなったかと思いきやまた寒くなってしまい、5-6時まで動けない、ということがよくある。去年のこの時期は夜中じゅうミルクをあげるために数時間おきに起きていたはずだが、よく起きていたな、と思う。

午前中は共同研究に向けた打ち合わせなど。作ったものを実際に使ってもらえるのは嬉しいことである。2-3年あれば、割と余裕を持って取り組めるなー。もちろん、期間が長ければ長いほど、最終的な成果が必要になるので、挑戦的なことよりは堅実なことに取り組むことになるが、それはそれで意義のあることだし。

お昼に別の共同研究のミーティング。一部のデータに対するタグ付けを2周したので、そろそろ議論を収束させる。今回は元からあるデータの都合上、どうしてもタグが揺れてしまう事例があるのだが、収集したデータに関しては我々ではどうしようもないので、そこの解決は諦めることにした(大人の事情)。もっと最初のデータ収集の設計段階から関わっていれば、もう少しちゃんと収集できたと思うのだが、それはそれで大変だった(他の研究をする時間が圧迫された)と思う。むしろ、複数の組織が関わるとややこしいことになるな、と……。

午後は SLP(自然言語処理の教科書)勉強会。機械翻訳の発展的な内容で、IBMモデルをもう少し詳しく見る。言葉ではちゃんと説明してくれているのだが、数式の部分を飛ばすので、説明をお願いしたところ、やはり曖昧な模様。数式を飛ばすと英語の本を読むのは英文読解で、自分も M1 のときは機械学習に苦手意識があり、説明のときも曖昧なままぼかしたりしていた(英文読解は得意なので、お茶を濁すことができる)。しかし門前の小僧状態で数式の展開に付き合ったり自分でも考えてみたりしているうちに、だんだん数式を追えるようになったので、時間をかけて理解しようとしないといつまでも理解できるようにならないと思い、時間をとってもらいたい。慣れてくると、大事なのは数式の方であり、本文は飾りにすぎないことが分かるのだが、慣れるまでは逆に考えてしまいがちなのである。

1つの数式を説明できるようになるまで(複数人で相談・議論しても)数時間かかったりすることも稀ではないのだが、これは必要な時間であり、むしろ表面的に言葉だけを追ってページを先に進むより、はるかに有意義な時間を使っていると思う(というか、それこそが、研究室で勉強する意義だろう)。とはいえ難しいのは、一つのところに引っかかって止まってしまい、全く先に進めなくなるのもよろしくなく、納得できなくてもとりあえず先に進み、あとになって戻ってくると分かるようになっている、ということもあるので、適当なところで保留にするバランス感覚も必要なのである。

夕方は南大沢に移動し、オートマトンと言語理論の授業。非決定性有限状態オートマトンと決定性有限状態オートマトンの等価性を示す。授業時間の半分くらいを使い、ひたすら学生に問題を当てて解いてもらっているのだが、その甲斐あってか小テストで全員の理解度をチェックすると、予想以上にちゃんとできている。やはり他人に説明するということと、手を動かすということは大事なんだなぁ、と思う。