取れないと肩身が狭い研究費

朝寒くなく起きられるようになったのはよいが、娘の送り迎えを担当することになったので、朝の始動が1時間弱早くなっており、仕事をしようと思っても1-2時間くらいしかなく、細切れ感が否めない。帰る時間も1時間強早くなっているので、これ去年と同じようには仕事できなさそう(昨年度より仕事時間が1日あたり2時間減っているので当然)だが、どうすればいいんだろうか……。東京に来てから昨年度までは妻が最大でも週2日勤務だったのが、4月1日から週5日勤務になったので、状況が変わっているのだ。

土日は仕事をしないつもりで、昨年の12月からは基本的に土曜日は娘と一緒にいることにしていたのだが、土曜日に3時間でも仕事をしないとこれは無理かも……(2日目にしてそう思うというのは自分でもどうかと思うが)

朝は電車が置き石による点検のため30分遅れと言われ、意気消沈。家から大学に行く経路は大きく分けて3通り(JR中央線西武拝島線、車)あるのだが、止まっていることが最初から分かっていれば別経路で行けるのに、駅まで行って気がつくので手遅れであることが多い。車がもっとも早く安定して同じ時間(せいぜいプラスマイナス5分)で通える……。

気を取り直して午前中は大学院入試委員の引き継ぎとコース幹事の引き継ぎ。電車遅延のために準備がギリギリだったが、なんとか乗り切る(引き継ぎ資料を渡す時間が取れなかったが)。学内の運営業務は、とにかく手間を減らさないと誰も幸せにならないので、どんどん手間を減らしていきたい。

昼から進捗報告を聞く。インターンシップの話を聞いたり。先日インターンシップについて雑文を書いたが、半年から1年くらい研究室にいると(ちゃんと勉強会に出て、演習を解いていれば)、それなりに知識や能力も身についているもので、それなりにインターンシップ先でも活躍できると思うし、仕事に対するイメージがつくので、夏休みや春休みは1ヶ月以上のインターンシップに行くことを勧めているのである(2週間以下のインターンシップはあまり意味がないので、勧めていない)。受け入れてくれる企業は多くはないのだが、どんどん外に出て行く人が増えるといいな。

学生から、研究テーマを変えたいという相談を受ける。研究テーマに関しては自由に設定してもらっているので、もとより教員が止めるものではないし、自由にしてもらう。ちゃんと実験すれば国際会議に通るネタだと思っていたのでちょっと残念だが、やる気がなくなったテーマを続けるのはしんどいことも分かるので、仕方ない。

大学院の奨学金日本学生支援機構の第1種奨学金)の返還免除を考えると、国際会議に筆頭著者で2本くらい通せればいいと思うのだが、卒論が国際会議に出せないと、修士のうちに2本書くのは厳しいかもなぁ(自然言語処理の論文投稿シーズンは1-4月なので、M2での仕事は恐らく在学中には間に合わない)。まあ、返還免除を取らせてあげたいと勝手に思っているのは自分だけで、経済的にはそんなに困ってない(あるいは困っているのは在学中だけで、働き始めたら関係ない)かもしれないけど……。

そういえば科研費は今年もダメだったらしい。

と推移している。最近研究費の公募は落選続きで、肩身の狭いものである。若手Aで落ちるならまだしも、若手Bで落ちたのはショック(そういえばスタート支援で落ちたのもショックだった)なのだが、仕方ない。一応申請する書類のベースはあるので、と思っていたら結局申請の〆切前日にしか申請書を更新する時間が取れず、書き始めたらかなり書き直す必要があったのだが、どうにも時間切れだったのだ。

審査結果の開示をしたりすると、若手Aでもだいたい5段階評価で3はみんなつけてもらえるのだが、4をつけてくれる人が少ないのでダメ、という展開で、無難に平均的な点数はあげられるが、平均よりもよい、と評価してもらえる魅力がない、ということだろう。確かに通っているときは研究費の申請書に入魂して魅力を上げる追い込みをしている(逆は必ずしも真ではない)。

原因は明らかで、申請書を書く時間が全然取れていないせいなのだが(たとえば博士の学生や助教だったころは1本の申請書を書くのに1ヶ月使っていた)、仕事の時間を減らすとき真っ先にあおりを受けたのが研究費申請にかける時間で、学生の教育にかける時間と研究費獲得にかける時間を考えると、お金はなくても研究はできる(主に必要なのは旅費)ので、しばらくは教育に時間をかける、と決めたのである。研究費の申請書を書くのは論文誌1本ぶん程度のエフォートが必要、というのを最近どこかで読んだが、全く同意であり、そして同じエフォートを使うなら論文につながる方を優先する、ということである。

一つくらいは自分が代表の研究費を取っておきたいのだが、幸いなことにいくつか共同研究のお話はいただいているので、研究室運営が滞るわけではないし、仕事に使える時間が限られている以上は仕方ないように思う。共働きで子育てをしていても大きな研究費を獲得し、華々しい研究成果を挙げてらっしゃる方々が、どのように研究(室)を回してらっしゃるのか、知りたい……。(そもそも研究スタッフが1研究室に複数人いるような研究大学とは異なり、1研究室に教員が1人だと、教員の役割は異なるとは思うが)