研究成果は日々の積み重ねが実るもの

午前中、SICP(プログラミングの教科書)勉強会。学部3年生の人たちとの合同勉強会であるが、うちの研究室の学生より3年生の方が遥かにしっかり演習問題を解いてきてくれていて、恥じ入る限りである。もっとも、研究室の学生の半数は論文を書いていたので、勉強会より論文を優先してもらったり、大学院生の半分は授業と重なっていて出られなかったりしていたので、仕方なくはあるのだが(授業も被っておらず、論文も書いていない人が、ちゃんと出席してくれたわけでもないけど……)。

研究室のバランスを考えると、前期にこういう勉強会ができればいいのかもしれないが、研究室配属されて最初の夏休みに研究をする人もいるため自然言語処理のプログラミングの方が優先度が高いので、既に過密な前期にやるべきものでもなさそうである。NAIST 松本研のように夏休みに1週間(原則的に全員参加の)集中勉強会をやればいいんだろうか?まあ、今回のように、研究室配属前で時間のあるときに勉強するのがベストなのだろうけど……。

午後は大学院生3人の進捗報告を聞く。といっても、春休み最初の進捗報告なので、2-3月はこれをします、という主に所信表明である。春休みや夏休みのそれぞれ2ヶ月弱が固めて研究できる貴重な時間で、こういうときに地道に研究をしているかどうかが成果につながる(具体的にはたとえば国際会議で発表できるかどうかに関係してくる)。授業期間は勉強会があるので研究が進まず、授業がない期間は勉強会がないので研究が進まず、いずれにせよ研究が進まない(勉強会の有無が問題ではなく本人の意志の問題)、という人が時折いるのだが、せっかくの定例勉強会がない期間なので、集中して進めてほしいものである。

こういうことを書くと「大学には研究しに来ているのではなく就職予備校として来ているだけだから、研究を求める方がおかしい」と言う意見を言う人(主に学生)がいるのだが、学部生はともかく大学院生は研究するために来ているのであって、研究しない人は卒業できない、というだけで、教員としては学生は卒業したいだろうと見なして(ときどきそうではなく単にモラトリアムを延ばしたいという人もいる)、研究しましょう、と呼びかけているのである。

あまりこういうことを言うと、何も言わなくても研究する学生をスポイルしてしまいかねないので、そんなに言いたくはないのだが、一夜漬け・あるいは当日に書き始めればなんとかなった期末試験・レポートと違い、卒論は数週間から月単位必要だし、修論は数ヶ月から年単位必要だし、point of no return を越えてしまうとどうしようもないので、ちょっと言ってしまうのであった。