2014年度のNL研を振り返る

朝はバスで会場に移動する。博多は地下鉄も充実しているが、バスが毎分のように来ていて便利。自分的には住みやすい町トップ3にランクインしそうである。

午前中のセッションを終えてお昼休み。いったん外に出てみたが、九大病院周辺はご飯を食べるお店もほとんどなく、結局会場のカフェテリアまで戻ることに。徳永先生たちは、ご飯を食べるためにわざわざ地下鉄に乗って移動されていたが、ここまでないとは……。

松本先生から、研究室の博士の学生の人たちの様子を聞く。なんとも言えない感じだが、だいたい博士後期課程の学生の1/3は規定の年限(以下)で博士号を取得し、1/3は規定の年限オーバーで取得し、1/3は取得を断念する、という例年の傾向通りなのだろうか。首都大に来てからというもの、松本研の学生の人とはほとんど関わっていないのだが(NAIST時代に実験した内容の論文化が残っている人は一緒に付き合ったが、新しく実験をするような研究は完全にノータッチ)、それぞれ自分で考えるところあるようで、なにより。

日本語の述語項構造解析の話を [twitter:@blankeyelephant] くんとしたのだが、文章内全体の述語の項構造を全体最適化で解く、という問題に挑戦している(今回の NL 研の発表内容)ようで、頼もしい。しかも M2 なのにこれは修士論文のテーマではないそうで、言語処理学会の年次大会の原稿も書いているらしく、びっくりする。うちの研究室でもM2の人は年2回の国内発表、年1回の海外発表くらいが理想的なのだが、こうするためには確かに研究ネタを2つくらい走らせていないとなかなか難しいので、やる気のある人は複数の研究テーマをやるのもありかなと思った(そういえば、自分も常に毎年2つくらいは違うことをしていた。論文につながるわけではなかったが……)。

午後のセッションを終え、今回の研究会から始まった「優秀研究賞」の表彰式。選考委員会の立ち上げから表彰状の印刷まで、いろいろ考えないといけないことだらけであったが、実現可能な枠組みでなんとかなりそうで、よかった。

今年度 NL 研の新しい体制になって動画配信と賞の創設ができたのは、大きな前進であった。動画配信は5月のNL研からの導入であったが、SLP(音声言語情報処理研究会)との合同で、細かい設定はSLPでやってくださったので、我々としては7月の北海道開催のNL研が動画配信元年であるように思う。毎回現地にいらしてくださるのと同じくらいの方が視聴してくださっているようなので、自然言語処理の裾野を広げるために今後も続けていきたい(機材の手配など、解決しなければならない課題はまだまだあるが)。

NLP若手の会の委員長も今年度で引退したので(言語処理学会年次大会のプログラム委員も今年度で2期務めて引退)、来年度もNL研で2つくらい目玉になることができればいいな。

仕事が終わってほっとするのも束の間、翌日が言語処理学会年次大会の原稿〆切なので、学生たちの論文の最終チェック。飛行機に乗るまで、乗ってから、帰りの車中、でそれぞれ4人分に目を通す予定だったが、飛行機に乗るまでは全員分の論文をダウンロードしてメールに目を通すので精一杯、飛行機の中では1人分にコメントを入れるだけで終了、帰りのバスの中で2人分にコメントを入れていたら激しく酔って途中で断念。帰宅してからほうほうの体でなんとかメールを送信したが、1人分を残してダウンしてしまった。バスはもともと酔いやすいので、予想はしていたが、ここまでとは……。