YANS 2014 中日: 若手だからこそいろんな人と触れ合おう

NLP若手の会第9回シンポジウムの2日目。朝、露天風呂に行ってみる。気持ちいい、がやはりお風呂としての充実度であれば、1,000円出してスーパー銭湯に行った方が満足度が10倍くらい高いように思う。もっとも、旅先でみんなと一緒に入るからこその温泉であって、お風呂としての満足度を追及するものではないだろう。

午前中は口頭セッションおよびポスターセッション。今回の若手の会の試み第5段(いろいろやってみたので、番号は適当)として、ポスターセッションだけではなく口頭セッションを導入(実は最初期は口頭セッションのみだったので、正確には復活)してみた。言語処理学会の年次大会では、口頭15分質疑5分だし、情報処理学会自然言語処理研究会(NL研)でもデフォルトは口頭20分質疑10分なので、せっかく若手だからたっぷりディスカッションできるよう、質疑も入れて1件40分取ってみた。時間が余るかな?と心配していたが、むしろ足りないくらいですごく内容のある斬新かつチュートリアルのように丁寧な発表、そして活発な議論ができたので、我田引水的であるが口頭セッションの導入は成功だったと思う。

個人的には[twitter:@iwnsew] さんの単語重要度再訪のお話がとてもおもしろく、こういう隣接分野の方々と若手レベルで交流できるのは、とても有意義なことだと思った。

データマイニングが専門の @iwnsew さんは Twitter 経由で、福祉情報工学が専門の [twitter:@machjet] さんは人工知能学会のメーリングリストでそれぞれ NLP 若手の会を知ったそうなので、効果があるかどうか半信半疑で流していたものだが、ちゃんとそういうのがきっかけで来てくださる方がいらっしゃるというのは、励みになる。

ちなみに、学生だとそもそも情報処理学会自然言語処理研究会のメーリングリストも、人工知能学会・言語処理学会メーリングリストも入っていない人が多いように思うが、会員でないと購読できないのは言語処理学会メーリングリストだけで、それぞれ誰でも無料で登録できるので、興味のある人は登録するとよい。

お昼ご飯会場に行くとランチの数が少し足りなかったようで、ちょっと慌てる。プログラム委員は身内なのでプログラム委員以外の人に先に食べてもらい、プログラム委員はあとから追加注文(スポンサー代でいただいていた諸費用から支出)。原因も分かり、ほっとするが、足が出るかと思って焦った……。

午後は Google の[twitter:@ta_makino] さんによる招待講演。@ta_makino さんと最初にちゃんとお話ししたのはどこかの IBIS(情報論的学習理論)ワークショップであったと思うのだが、奥さんが看護系の大学教員ということで自分と境遇が似ており、意気投合したのであった。自分が去年研究室を立ち上げたときも気にかけてくださって、とてもありがたかった。NLP若手の会のシンポジウムの招待講演は、なんとなく隔年で開発系と言語処理系の方を交互に呼んでいるような感じで、@ta_makino さんはちょうど今年に東大から Google に移られて、両方の気持ちがお分かりだろうと思い、お願いしたところ、快諾いただけたのであった。

内容について、詳しくはTweet をまとめてくださっているので、そちらをご覧いただければと思うが、こういう研究に必要な開発スキルというのはなかなか浸透しないので、こうやって学生が半数以上を占めるシンポジウムでバシッと言っていただけるのはとてもありがたい。

ソフトウェアエンジニアの方々からすると、当たり前すぎて「こんなにレベルが低いのか」と思われるかもしれないが、実際問題ちゃんとした開発スキルを講義だけで教えるのは困難であり、研究室配属されたあとは多少ましになるが、それでも基本的に学生が中心に伝承されるので属人性があり(しかも学生は数年でいなくなる)、どうしても年によって変動があり、一度途切れるとそのまま途絶えてしまったりするので、維持するのが極めて困難なのである。(学生でなくても、よく分からない習慣が続いている会社に入ってしまい、変えることもできず鬱々とするケースもあるだろうし、継続性があることが常にいいかというとそういうものでもないと思うが)

招待講演、内容もさることながら質疑が大変盛り上がり、やっぱりディスカッションを長めにするのはいいなと思った次第。@ta_makino さん、ありがとうございました〜。

午後は深層学習(deep learning)に関する口頭発表が2件と、スポンサー発表が3件。いずれも非常に盛り上がる(実際、4件の奨励賞のうち、2件がこのセッションからだった)。特にスポンサーセッションの [twitter:@miorisagara] さんのトークがぶっちゃけすぎて、すごかった。ともあれ、若手の会(合宿)だからこそ話せる内容でもあり、学生の人たちは特にインパクトがあったのではなかろうか。

懇親会は単に飲み放題がついている夕食のような気がしたが、2時間ほどいろんな方々とお話できてよかった。お座敷での懇親会なので、向かいで坐っていても真ん中に仲居さんが通るスペースがあり、お向かいの人と極めて喋りづらかったのが難点であったが、それを除くと、席も自由に移動したりしてあちこち行けばよかったので、そこまで問題ではなかったかな?

懇親会後、みんな花火に行ったのだが、自分は @machjet さんとお部屋でいろいろお話しする。大学院に進学してからのキャリアパス、いろいろありうると思うのだが、一般的には大学の教員になるには最近は博士号が必須(高専でも増えてきている?)なので、人生のどこかで取得することになるであろう。博士号を取ったからといって大学教員になる必要はないし、個人的にはもっと大学外で活躍する博士号取得者が増えるとよいと考えているのだが、現状博士号を取得したことが明らかにプラスになる(というか持っていないのがマイナスになる)のは大学の中だけなので、必ずしも取得しなくてもいいとは思うが……。

夜は各自の部屋に集まってハッカソンをしたり、どんちゃん騒ぎをしたり、めいめい好きに過ごしていたようだが、自分は[twitter:@hitoshi_ni] さんと同じ部屋だったので、この部屋が飲み部屋になっており、[twitter:@yotarow] くんや [twitter:@tomo_wb] くん、[twitter:@unnonouno] さん、 [twitter:@uchumik] さんなど、別の部屋の人も参戦して、1部屋に20名弱ほど?集まっていたようだ。今回部屋割りは所属をバラバラにすることしか意識しなかったが、「飲み部屋」「睡眠部屋」「ハック部屋」のように多少分ければよかったかもしれず。(マホロバマインズ三浦は、とにかく客室が広かった!)

自分はといえば、途中 @uchumik さんとお風呂に出かけたあとは、日付が変わるころに寝かせてもらう。子育て中なので、毎日夜は22時ごろには寝ており、なかなか徹夜ができない身体になっているのである。後で聞いたところによると、ハッカソンで朝日を見た人から、洗面所の廊下で横たわって死屍累々としていた人までいろいろあったようで、各自有意義な時間を過ごせたようで、よかった。これぞ若手!という感じである(笑)