朝、ご飯の前に砂浜を散歩してみる。Facetime で妻・娘と電話したり。海で合宿だと、こうやって朝に海岸を散歩できるのがよい。自分の人生の1ページを飾る思い出である。
午前中は昨日と同じく口頭セッションおよびポスターセッション。ポスターは、もっと時間を取って聞きたかったのだが、会計処理やらなにやらで、ほとんど聞けなかったのが心残り。8-9件で90分のポスターは長く中だるみするかと思ったのだが、予想に反してずっと活発な議論がなされており、大変活気があってすばらしい。@unnonouno さんが書かれているように、エネルギーは十分なので、ぜひこの勢いで、ポスターや口頭の発表内容を膨らませ、発展させて、いろんな国際会議に羽ばたいていってもらいたいものである。
お昼ご飯はカレー。[twitter:@m_masato31] くんといろいろ話す。やっぱり M1 くらいの人と喋るといちばんおもしろい。まだ研究が始まっていないが、ちょうど力がついてきて、こういうことがやりたい、という夢を語ってもらえるのである。自分のようにもう10年近く自然言語処理をやっていると、そういうテーマはさんざん似た研究があってこうだとか、いかにもそれはああなりそうだとか、いろいろ思ってしまいがちなのだが、そういう先入観がなく研究と向き合えると、ハッとする研究テーマにつながっているのかもしれないのだ。「大学教授という仕事」にも、難しいと知られていることでも学生に黙っていてやらせてみたら、難しいことを知らずに果敢に挑戦すると、案外解けて大きな成果につながる、という話が書かれており、自分もそういうふうになりたいな、と思ったりした(博士後期課程に行く人はいいが、修士で就職する人だとなかなか難しいのだが)。
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午後は国際会議参加報告。こういう企画、最近は各種学会でしていて、その意義について議論したり、若手の会でもこの企画に意義はあるのかと議論したのだが、[twitter:@pawjun] さんなどから、学生は国際会議参加報告を聞くだけでも博士後期課程に進学する気になったりモチベーションが上がって国際会議に投稿したくなったりするので、できれば続けてほしいものである。
夕方に最後の口頭セッション。[twitter:@murawaki] さんの方言の言語系統樹の話がおもしろい。Science とか Nature に載るような自然言語処理の話となると、こういうはなしになるのだろうなぁ。
最後にハッカソンの報告会。記事の読まれる確率を予測する共通タスクは精度の低い順に発表してもらう。ポスターのブースターセッションと同じく2分にしてもらったのだが、練習しないといきなり2分の発表は難しかったか……(口頭発表は、短ければ短いほど、ちゃんとポイントを絞らなければならなくなるため、発表が難しい)。でも、各チームおもしろい発表内容で、楽しめた。好きなアプリを作るオープンタスクの方のエントリーも4チーム+1チームあり、あれだけの短い時間でよくここまでできた、という感じで、個人的には全員に敢闘賞をあげたいものである。最後の最後は[twitter:@machjet] さんが、画面を見ないでプログラミングするデモをしてくださり、拍手喝采で終わることができ、大団円である。
奨励賞の投票のあと、名残惜しいがクロージングである。[twitter:@overlast] さんが「ブログを書くところまでが若手の会、とでも入れたらいいんじゃないですか」とおっしゃるので、じゃあ言ってみよう、という感じでアナウンスしたところ、割と書いてくれる人がいたようで、ありがたいことである。
来年度以降の委員長の[twitter:@hitoshi_ni] さんと[twitter:@unnonouno] さんに挨拶してもらい、終わりかと思ったら、現委員長にお疲れさまということで、サプライズの花束贈呈があり、ちょっとウルっと来て言葉に詰まる。毎年の委員の方々にも助けていただいたが、1年目は[twitter:@hillbig] さん、2年目は[twitter:@stomohide] さんがそれぞれ代表を務めてくださり、それを見て最後にやった自分はお2人からも適宜サポートいただけて、この3人だったからこそ楽しくシンポジウムを盛り上げることができたと思う。
終わってみて振り返ると、今年はNTT研究所の M 崎さんの尽力がなければ到底開催にこぎつけることはできなかったと心底思うし、小町に経験があるからできるだろう、などというのは大きな思い上がりであった、と反省することしきりである。本当に今回のシンポジウムは彼女こそ一番の貢献者であって、自分は他の委員の方々にも助けていただいてなんとか実施できたので、みなさんに感謝するとともに、このメンバーで最後にシンポジウムが開催できて本当によかったと思う。ありがとうございました。
みなさんがお帰りになってから会場を施錠し、ホテルで支払いを済ませる。200万円近い現金を見るのは初めてで、ちょっとドキドキする。しかしこれだけの現金を持ち歩くのは危険なので、もっとうまいやり方はないものか、と思ったりもする。事前に参加者から振り込んでもらったりする必要があり、委員が苦労するか参加者が苦労するかで、できるだけ参加者の負担は減らしたいものの、委員に必要以上の負担がかかって研究者の時間が奪われるのは本末転倒なので、適切な落とし所があるとよいな、と思った。
夜戻ると2日ぶりに娘と再会。そもそも24時間以上離れ離れになったのは今回が初めてなのだが、久しぶりに会うと感動もひとしおだな〜。