草食系の自然言語処理

情報処理学会自然言語処理研究会(NL研)の2日目。

そういえば例年5月のNL研は、情報処理学会音声言語処理研究会(SLP)と合同で開催し、学生セッションを企画して学生奨励賞を出すので、賞狙いの発表が増えるのだが、今年は学生セッションの希望が少なかった。明らかに学生なのに一般セッションで話したりしていて、ちょっともったいない感じの人もいたし。

自然言語処理は、あまり賞を出さない分野であり、そういう意味ではストイック。情報系の学会でも、ありとあらゆる名前をつけて賞を出そうとするインフレ気味の分野もあるのだが、至って真面目である。あと、他の分野と比べると論文誌の採択率も低いそうで、投稿する側も査読する側も、公開する研究はちゃんとしたものに、という意識が強い(逆説的には、投稿する側の意識が低ければ、ひどい論文を投稿するので採択率が低くなる分野もあるが、幸いなことに自然言語処理はそうではないようだ)。

といっても、やはり他の分野と比べると賞を出す数が少なかったり、論文誌の数が少なかったりすると、大学や研究所で研究を続けようと思うと他の分野の人とポストを争う必要があるため、業績が目劣りして不利益になるのでは、という懸念もある。それでもあくまで実直に研究するコミュニティである自然言語処理が自分は好きなのだが、圧倒的に草食系だよな〜。

昼休みはNL研の運営委員会ランチ。運営委員会というのが何物かよく分かっていないのだが、年に数回(大体は東京開催のNL研に合わせて)集まって、NL研の運営方針を議論したりするものらしい。幹事と比べるとほとんど仕事がないそうで、継続の運営委員の方から、仕事が少なくても申し訳ないので、もう少し仕事を手伝ってもいいから振ってください、とおっしゃっていただいて、ありがたかった。

午後のセッションも動画中継を無事に終え、一安心。9月のNL研はまだ調整中だが、7月のNL研([twitter:@chokkanorg] さんが主担当)は北海道開催で、12月のNL研は他の研究会と合同で「自然言語処理シンポジウム(仮)」と題して東工大すずかけ台キャンパスで開催されることが決定しているので、9月のNL研(自分が主担当)も詳細を詰めていかないとなぁ。NLP若手の会シンポジウムも調整中で、並行して進めないといけないのだが……。

帰りは少しだけ徳永研を見学させてもらう。NAISTにいたときはさして思うところはなかったが、首都大に来てから初めての訪問で、座席が広いことに驚く。うちは日野にあるにもかかわらず、1人当たりのスペースは目黒にある徳永研と同じくらいの広さだし、恐らく来年度はうちの方が手狭になる。うちも来年度に新実験棟が完成して、少しずつ研究室が引っ越していけば、余裕が出てくるのかな?