演繹的思考と帰納的思考

午前2時半に起きて学内の委員会のお仕事。5分刻みでスケジュールを立てる必要があるのだが、こういう分刻みのお仕事はもっとも苦手とするところ……。3時間かかる。はー。

午前中は後期に実施予定の講習会の打ち合わせ。Weka などデータマイニングに関する講習会と、Hadoop など分散処理に関する講習会を予定しているのである。ほとんどの学生は研究でも開発でも一生大規模データを触らないだろうし、Hadoop を学生に使わせる意味ってあるのかなぁ、と思ったりする。もちろん、裏で Hadoop が動いていて、ちょっとデータベースを叩いたら結果が返ってきて、結果的に大規模データを使っている職場に行く人はいるだろうし、そういうことをする意味はあると思うのだが、大学でそのような触っておもしろい大規模データはなかなかない。

そもそも計算量を知らず、ソートも知らない状態で、MapReduce を教えようとしても、前提からかなり説明しないといけないし、研究で使うならまだ教えてあげようという気もするのだが、単位のために渋々参加する学生に、そこまで手をかけたくないというか。(いろいろ愚痴っぽくなってきたので、気を付けないと。自分の授業はそれらをちゃんと教えるようにしているので、いまの2年生が進学してくるころにはましになっていると思う)

午後は離散数学の勉強会。演習問題含めて、本1冊丸々全部終了。1冊やり終えると達成感がある。すぐ研究に役立つわけではないけれど、やってよかったと思う日がそのうち来るであろう。「データ構造とアルゴリズム」と隔年で勉強会しようかな。3つあるとローテーションできて、B4、M1、M2で毎年違うことができるのだが……。

授業や勉強会をしていて思うのは、「具体例があると分かりやすい」と言う学生は(何も言ってくれないよりは遥かによいのだが)危険信号で、これは「具体例しか分からない」言い換えると「意味を考えない丸暗記ならできるが、応用しなければならないような抽象的な思考を要求されるものは無理」というシグナルだったりする(そうではないことももちろんあるが)。

もしそうだとすると、やるべきことは具体例を言われるままに教えることではなく、抽象的な思考ができるようになってもらうことだと思うし、もしそれが難しいなら、そういうことができなくてもよいよう誘導することだとも思う(抽象的な思考の必要がなくても完璧にこなせる仕事はたくさんある)。感覚的には、10人に1人くらいしかそういう人はいないのだが、そういう人に後者を納得してもらうのは難しいようにも感じる(「できるようになりたい」と思う真面目な人が多いので)。どこまで遡れば、抽象的な思考ができるようになるのだろうか? 数学で言うと、小学校高学年か、あるいは中学生くらいだろうか……。

夕方に学内の委員会のお仕事。思ったよりスムーズに終わり、1.5時間で解放された。今年は上出来♬