修士の学生を中心とした研究室体制

朝に雪で交通機関が乱れる可能性がある、ということで前日に1時間遅れで開始することが決まった修論発表会だが、蓋を開けてみると普通の冬の日で、むしろいい天気。

(研究室外の)修論の副査になるのは今年で2年目で、今年度は5人。1学年の学生定員は35人で、主査1名に副査が2名必要で、教員は14人いるので、70 / 14 = 5人の学生の副査が平均であり、ちょうどそれくらい回ってきている感じである。うちの研究室で来年度修士論文を出すのは5人の予定なので、副査を10人分お願いしないとなぁ、なんてことを考える。

研究発表にちょっとツッコミすぎたかなと反省しているが、うちの大学院は M2 の9月に修士論文の中間発表会をするので、そのときには主要な実験が終わってないと研究テーマが変わりうるから、どれだけ遅くとも夏休みには(ベースラインではなく、提案手法の)主要な実験も終えていないといけないし、就職活動もあることを考慮すると、思ったほど余裕はないのかもしれない……。

修論発表会を受けて考えたのだが、うちの研究室はチームで研究をしていないので、発表件数で言うと圧倒的に不利だし、先輩から引き継げるプログラムもないので、毎年最初の半年ちょっとは基礎勉強をする必要があり、効率はよくないかもしれない。ただ、せっかく大学に来たのだから、授業料分くらいは学びたいという人は、満足してもらえるのではないかと思う。全く面倒を見なくても自分で勝手に研究する、優秀な学生が来る大学・大学院で研究成果が出るのはある意味普通だと思っていて、色んな背景の学生が来てもみんなに対応できる(それぞれの学生なりの学びがある)という環境を作りたい。

昼の合間に ACL の原稿のコメント。まだ〆切は先だと思って延び延びになっていて申し訳なかったが、言語処理学会修士論文周りが一段落したので、ようやく他の仕事に取り組める。来週以降、研究室メンバー全員が揃うのは難しくなりそうだが(M1 の人たちはどんどん就職活動の面接が入っているらしい)、今年は論文投稿シーズンにただ手をこまねいているだけではなく、少しは投稿できるかも?と思っているので、がんばろう。

午後は SICP(プログラミングの教科書)の勉強会。データ抽象化の大詰めである。抽象的な議論になればなるほど、具体的なプログラミング言語でどう書くか、という問題ではなく、プログラムを書くというのはどういうことか、という本質に迫れるので、しっかりこういうプログラミングの理念を学ぶのは意味がある。逆に言うと、プログラミングについてなぜそうする必要があるのか知っていないと、とりあえず動けばいいや、というようなスタイルになりがちなので、いろいろプログラミングのパラダイムを知ると世界が広がると思う。

夕方は、とあるコンテストの応募作品の審査。技術的にも発想的にもおもしろい作品もあれば、「なんでこの状態で出したんだ?」と思う作品まであり、興味深い。国際会議の論文査読でも、1ページ目を見た瞬間「こりゃだめだ」と思うことは珍しくないし、それと比べるとまだ歩留まりがいいかもしれない。