はじめてのこんにちは

朝は病院に寄ってから出勤。今日は何があるか分からないので一応車で。午前中の勉強会の直前に電話があり、昼休みを終えたらすぐ病院に向かうことになった。

勉強会では論文を紹介してもらう。

  • Patrick Pantel and Marco Pennacchiotti. Espresso: Leveraging Generic Patterns for Automatically Harvesting Semantic Relations. COLING/ACL 2006.

であった。Evernote を検索してみると、この論文をじっくり読むのは少なくとも4回目であった。初めて読んだのは M2 のときだったと思うが、次に読んだのは D1 で、その次は D2 である。自分の人生の中でもっとも読んだ論文といっても過言ではない。昔は単に読むだけであったが、いまではなぜこのようにしているのか、気持ちが分かるようになったのは進歩である。これはよい研究であったとは思うが、必ずしも分かりやすく書かれているわけではない。実装のために必要があって Pantel さんに何度か論文に書かれていない詳細を聞いたことがあるのだが、詳細は思い出せない、というのがほとんどで、途方に暮れたこともあった。実装する気で読まないと論文とは理解できないものだ、ということを改めて痛感したので、思い出深い論文でもある。

今回は新入生がたくさんいることもあって、英語論文で使われる表現について解説したり、自然言語処理の用語について補足したり、いろいろ寄り道をしていたらかなり時間がかかってしまった。ただ、どこかでこういう説明がないと分からない(慣れていないと、専門用語だと思わず流してしまうところも多々あると思う)だろうので、日本語で補足せざるをえない。[http://www.jaist.ac.jp/project/NLP_Portal/doc/glossary/index.html:title=言語情報処理用語集]など、対訳(定訳)がついている資料もあるので、「これ、専門用語かな?」と少しでも疑問に思ったらとりあえず検索したほうがよいだろう。

昼に学内の委員会関係のミーティングを開催。教員4人のスケジュールの AND を取るのが難しい問題、昨年度に十分体験したので、今日はこれだけはやってから病院に戻りたい、と考えていたのである。ありがたいことに「また今度でもかまいませんよ」とおっしゃってくださる方もいらしたのだが、そもそも2週間前にそこから3週間先までの予定を調整して2週間後の数カ所しか空いている時間がなく、今日はたまたまコース会議があるため集まれる人が多かったので、今回逃したら次集まれるのは(次の定例のコース会議がある)6月になってしまう可能性が濃厚なのである。本来今日のコース会議終了後の16:30からに設定していたのだが、みなさんコース会議の前でもよいということだったので、お言葉に甘えてコース会議の前にして、ミーティング自体は10分ほどで終了。これでこの委員の仕事は1/3ほど終わった……ほっとした。

コース会議はコース長に全部お任せして(ありがたいことである)、自分は一路帰宅。少しでも早く戻れるか、と思って高速に乗ってみたり。東向きだと八王子インターから中央道に入りにくいので、国立府中インターから入り、調布インターで出る。確かに速いが、甲州街道 or 東八道路を使うのと比べて10分程度だろうか。500円払う価値があるかといえば、微妙なところ……。

病院に着いてからは面会に行き、荷物の受け取りなどして、控え室で待機。部屋の前で待つように、という指示があったのだが、どうやら待つ場所が違ったようで、1時間経っても連絡がないので受付の看護師さんに聞いてみたら、もう元の階に戻りましたよ、と言われて慌てて我々も戻る。再度ナースセンターで問い合わせてみると、探しても我々がいなかったので戻ってきたそうで、改めてラウンジでお待ちください、とのこと。ファーストコンタクトに失敗(汗)

ラウンジに移動してさらに40分ほど待っていると、検査が一区切りついたらしく、初めてのご対面。半年以上待っていたので、変な感じ。とっっっっても好きだけど遠距離恋愛で1週間や1カ月に1回しか連絡が取れず、しかも5分くらいしか電話できない恋人と1年ぶりに会ったりしたような、そんな距離感(なんだか書いていてせつなくなってきた)。どういうリアクションをしたらいいか悩む。そして、感動の対面なのだが、なんか不機嫌な顔……。寝ているところを起こされたからだろうか? 「写真、撮らないんですか?」と看護師さんに促されて、撮ってみる。携帯電話は使用禁止と言われたのでデジカメを持って行ったのだが、iPhone で撮影してもよさそうな雰囲気で、微妙な空気を感じながらもデジカメで撮影する。デジカメで撮影すると SD カードに記録されるので、家に帰らないと処理できないのである。なんとも言えない時間であった。

「担当医師から説明があるのでお父さんは1-2時間くらいは帰らないで待機してください」と言われ、再度ラウンジに戻ってきてくつろいでいると、担当の方が説明に来てくださり、今回は問題なくスムーズであったとのこと。とりあえず1週間くらい入院することになるということと、今後の予定を聞いたりする。何事もなくてよかった。

その後病室に移動。今回は個室にしてもらったので、24時間いつでも入れるし(4人部屋だと面会時間は14-20時のみ)、広いので何人か面会に来ても大丈夫。話を聞いたりしていると、再度感動のご対面。今回は妻もいたので、なんだかじんわりと感じるものがあった。3人で、よくここまでがんばってきたなぁ、と。むしろこれからが大変なんだろうけど、今日はよく眠れそうである。