百聞は一作に如かず

昨晩早めに寝たら朝4時に起きたので、そのまま6時に出勤。しかし朝早いためバスの連絡が悪く、結局駅まで歩く……。

朝は連休中に溜まったメールの返信。時間が足りず、返信し切れてない。メール以外のことをする時間を確保すると仕方ないのだが、ある地点で遡ってひたすら処理しないと、first in, first out で返事しがち(N日返事しなかったものは、N+1日返事しなくても変わらない、と思いがち)なのでよくない。

午前中は SLP (自然言語処理の基礎)勉強会。第1章の自然言語処理の歴史と第2章の正規表現、そしてオートマトンの触り。ちゃんと読むのは初めてで、内容はよいと思うのだが、記述がかなり冗長な気がする。1000ページあるが、同じことが繰り返し書かれているので、6割くらいの記述でいいような。何度も同じことが書かれているので、分かりやすくはあるのだが……。FSNLP と SLP を両方経験した世代から、SLP の方が必要十分でよかった、という感想もあったのだが、その気持ちが分かってきた。もっとも、全体を通読してからまた振り返ってみたい。

お昼には Googleインターンシップについての相談を B3 の人から受ける。プログラミングコンテストや未踏、大学院入試など、いろいろ授業中に話した気がするのだが、あまり授業のことは覚えてくれていないか……。3回くらい聞かないと定着しないので、一度話したからいいや、と思わずに、地道にいろんな授業で話すしかないかな。B2の前期、後期、そしてB3の前期と3回チャンスがあるので、同じ話を3回できるわけである(嫌がられそうだけど)。

そこで紹介したのだが、以下の「世界で闘うプログラミング力を鍛える150問 〜トップIT企業のプログラマになるための本〜」はおもしろい。

世界で闘うプログラミング力を鍛える150問 ~トップIT企業のプログラマになるための本~

世界で闘うプログラミング力を鍛える150問 ~トップIT企業のプログラマになるための本~

プログラミングコンテスト系の本はちょっと敷居が高くて、という人も、読み物としても読めるので、手にとってみることをお勧めする。これまでは日本語で書かれたプログラミング面接の本がなかったのだが、この本があればばっちりである。というか、これくらいの内容はいつ突然聞かれても大丈夫なように、うちの学生は準備しておいてほしい。

午後は研究室で進捗報告を聞く。大学院での研究テーマの進捗がない、という人がいたので、アルバイト先での仕事内容を話してもらったところ、意外と質疑応答が盛り上がって楽しかった。「ストップワード」という概念も、恐らく今年度に入ってから3回くらい登場しているはずだが、何回も聞かないと忘れてしまうよなぁ。

たまたま IPA (international phonetic alphabet) の話になったので有気音dark L、そして「ん」の話をしたりする。こういう音韻や音声に関する授業は、理工系の学部ではなかなか受けられないだろうなぁ。自分はシドニー大学にいたときおよび駒場にいたときにそれぞれ授業を取っていたが、首都大は3年次でキャンパスが分かれてしまうのが痛い。南大沢にはきっとこういうことが学べる授業があるはずなのだが……。

別の進捗報告で、論文紹介で読んだ論文の疑問点をサーベイしました、という報告があり、報告内容もなるほどと思ったのだが、結局自分で実装するつもりで読まないと、関連研究は読んでも(読まないよりは遥かにましだが)あまり意味がないのではないか、という気になる。というか、最初はなんでもいいから実装したほうがよいのではなかろうか。手を動かさないでも分かるくらい頭のよい人はいるのだが、ほとんどの場合作ってみるのが理解するには一番手軽なのである(作ってみればよい、というのは自然言語処理に特徴的で、そういうことができない分野もたくさんあるだろうから、もっと積極的にこの特徴は活用したほうがよい)。

夕方は慌ただしく明日の準備をして帰宅し、病院に行く。今日はなんということもないが、明日からかな。