生涯現役で細く長く取り組むライフワーク

午前中は機械学習の基礎勉強会。「言語処理のための機械学習入門」の章末問題をひたすら解く。やっぱり参加者のモチベーション次第で全然効率が違う。時間をかけて読むべき本に力を使うことができるようになるので、来年度以降もこのスタイルでいいように思った。

あと読んだらいい教科書といえば「確率的言語モデル」だろうが、必ずしも全員が言語モデルを使う研究をするわけでもないし、言語モデルは他の本でも出てくるので、言語学系の本の方がいいだろうか?(ただ、言語学系の本って、みんなで読むような性格ではない気もする……)

午後は実験実習費という実験関係の予算案の作成。基本的に共通費を除いたあと、各研究室に配分される金額は(学年によって重み付けされた)学生数で決まるのだが、うちの研究室は去年と比べて学生数が2倍になったので、使える金額も2倍以上になる。人数が増えると座席が必要なのだが、椅子や机のような備品を購入できる予算が少ない(研究費では購入できない)ので、ありがたいことである。机は今のところ十分あるが、椅子がキイキイ音がしたりするため、去年は椅子を4個購入したのだが、今年も4個かな。毎年4人程度B4の配属があると思われるので、人数分新しい椅子を購入していきたいのである。

夕方は6月のイベントの打ち合わせで早稲田大学へ。理工学部のキャンパスに行くのは初めて。新大久保から歩いたが、海城学園を横切る。そういえば、小学生のとき中学受験することになり、交通の便的には西武新宿線1本で行ける早稲田と海城を両親的は受けさせたかったらしいが、父に連れられて中学受験する学校をいくつか見学したところ、海城は構内に海軍将校の銅像があったので、受けるのをやめたのであった(両親はクリスチャンなのだが、そういう学校を受けさせるのに抵抗はなかったのだろうか、と子ども心に思った)。試験のレベルがどうこうより、そういった校風や社風みたいなもののほうが、自分は遥かに気になるのであった。(親的には、大学までエスカレーターで行けるとか、家から通いやすいとか、そういうことを考えてくれていたようで、「偏差値がこうだからここを受けなさい」などと言われなかったのはありがたかった)

西早稲田キャンパスは国語研のようなガラス張りのキャンパスで、すごくきれい。1Fに学食もあり、男女楽しそうに談笑している。渋谷のヒカリエや六本木のミッドタウンのような感じで、理工系にしてはオシャレすぎる感じである。早稲田の理工学部を「大久保工科大学」などと揶揄(自称?)することもあるようだが、交通至便でもあるこのキャンパスで不満だったら、世の中の理工系の学部は浮かばれないのではなかろうか……。

打ち合わせは予定が1時間のところ、たっぷり3時間あり、濃密であった。パネリストのお一人から「学生のように見えますね、おいくつですか」とのことで「36歳になりました。あと30年あると思って、気長にやります」とお答えすると、「いや、あと36年ありますよ。わたしは今年72歳でまだ現役です」と、Android で開発している端末を見せてくださったり、いま取り組んでらっしゃる開発の話をしてくださったり(自らプログラミングしてらっしゃるそうだ!)。人生の1/3は海外で過ごしてらっしゃる、ということで、日本の大学で通産省と丁々発止したりするお話の合間に、海外の大学のお話を伺ったり、などなど。昔話は好きなので、大変おもしろかった。

帰りの電車の中で Stanford と UC Berkeley で教えてらしたころのお話をお伺いしたりして、やっぱりもう1回アメリカに行きたいなとふつふつと思ってしまうのであった。首都大的には7年間勤務するとサバティカルの権利が発生するらしいが、自分もサバティカルで1年くらいどこかに行ったりできるのかな。

授業は前後に寄せたり一部代わってもらったりするにせよ、研究室に学生がいると(研究室に教員が自分だけだったりすると)現実的には行くのが厳しいように思うのだが、みなさんどのようにされているのだろうか?  隣の研究室にお願いしたりすることもあると聞いたことがあるが、うちだと I 川研究室だろうか。今年は1つの勉強会を合同でやっているのだが、来年はプログラミングに関する勉強会も合同でやってもいいかもな、という気もしている。機械学習は、必ずしも研究で使わないようなので、合同でやらないでいいと思うが、プログラミングはどっちでも使うし、I 川研もうちも「公式言語」は Python なので、一緒にやりやすいのである。(Python 以外を使っているところだと、TAの負担が大きくなりすぎる)