高学歴女子のワープアが急増中という記事を読み、「高学歴女子の貧困」という本が出ていたことを知り、購入して読む。
高学歴女子の貧困 女子は学歴で「幸せ」になれるか? (光文社新書)
- 作者: 大理奈穂子,栗田隆子,大野左紀子,水月昭道
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2014/02/18
- メディア: 新書
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中は共著(分担執筆)であるが、読んでおもしろいのは第5章の『「アート系高学歴女子」のなれの果てとして、半生を顧みる』という内容。14歳から芸術の世界に入り、東京藝大を出て大学の非常勤や美術の予備校講師で生計を立てながら創作活動をするようになる。ふとしたきっかけで予備校の生物の講師と結婚して、子どもはいないながら一時期別居も含めて生活し、美術業を40代で廃業してからは作家の活動をしている、という半世紀。どういう人が日本で何人くらいいて、収入の相場はいくらで、男女の性差はここは関係ないがここはあるかも、みたいな話が率直に書かれている。
あと、家事の分担にまつわる話や若手との世代交代の話、芸術を「廃業」してからの話が、諦めること、そして諦めたからこそ見えること、そういった心境の変化が他者へ、そして自分への優しい視点から描かれているのが文章から滲み出していて、なんとも素敵である。この章は非常にお勧めである。
美大が舞台、という話で「ハチミツとクローバー」(Kindle 版が出たらしい)
- 作者: 羽海野チカ
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2002/08/19
- メディア: ペーパーバック
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- 作者: 冬目景
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2009/04/30
- メディア: コミック
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他の章、具体的には1、2、3、4章の全ては正直なところブログで公開されるならともかく、書籍のクオリティとしては疑問符がつく([http://d.hatena.ne.jp/usata3/20071020/p1:title=水月昭道氏の新書を読んだとき]も同じ感想だったけど)。もう少し編集の人が関与してちゃんと書いた方がいい(あるいは書ける人に依頼した方がいい)のではないか。