朝から高の原へ。意外に空いている。昼はならまちの江戸川へ。奈良に来るとまずここへ来る気がする……。
午後家に帰ってきてごろごろしたり。夜は踊る大走査線 THE MOVIE 3 を見たり。
以前購入した「男子校という選択」
- 作者: おおたとしまさ
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2011/12/09
- メディア: 新書
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男子校出身者は大学の1-2年で彼女ができる率は9% (共学出身の男女、および女子校出身の女性はともに40%) という衝撃的な事実も載っていたり (p.86) とか (いや、明らかにそうだと思ったが……)、するのだが、第6章でいろいろと男女共学と別学を比較しているところがおもしろい。特に男女別学にすることによって、男子と女子の発達段階に分けた教え方をすることができる、という話はなるほど、と思う。たとえば、
女子は励まして自信を持たせてあげる。男子は現実を見せて自分が思っているほどに自分が賢くないことを自覚させ、もっと上手にできるようにけしかける
という指導法が効果的であることがイギリスの研究で分かっている (pp.182-183) とか、あるいは
桐光学園の教員は男子クラスも女子クラスも受け持っている。一九九一年に女子部が設置された当初は、男女ともに同じように教えていたという。しかし、女子クラスでの指導に違和感を覚えた一部の教員たちが、特に理数系教科に関して教え方を変えてみたところ、理解度が上がったという。
特に理数系教科に関しては、女子は細かいステップを刻みながら少しずつ何度を上げていく方法が効く。所々で「ここまでは大丈夫?」と確認しながら授業を進める。かなり力のある子でも、いったん「わからない」となると、最初のステップから振り返らなければならない。
しかし、同じことを男子のクラスでやると飽きられてしまう。男子クラスでは、いきなり「これできる?」と挑発するような方法が有効なのだそうだ。場合によっては「この問題の答えはこれなんだけど、式書ける?」と問いかけるという。全員が食いついてくるわけではないが、食いつきのいい生徒が問題を解くと、周りの生徒たちも刺激されて、手を動かし始めるのだという。桐光学園の平良一教諭によれば、「男子と女子では、ロジックのとらえ方が違うようです。『女子は理数系が苦手』といわれることがありますが、そんなことはないでしょう。理数系教科の教え方が女子用になっていないだけです」とのこと。(pp.76-77)
とか。おもしろいのは、男女共学にすると女子のほうが成績がよく (25歳くらいまで続く)、男女別学にすると男子のほうが成績がよくなる、という傾向は、どの文化でも見られる特徴なようである。だいたい同じ年齢なら女子のほうが勉強ができる、と思っていたので、別学 (男子校) にすると男子のほうが成績がよい、というのは意外であった。
あと、海外の事例で「共学では『発達障害』でも別学では『優秀者』」という話があったりして、これは自分も大学に入ってからよく思う (汗) 東大なんて自分も含めものすごく発達障害の学生多いと感じていたし (注意してほしいが、それが悪いと言いたいわけではない。そういう対人関係の発達を犠牲にすることによって、勉強をがんばってきたのかなぁと思うし、少なくとも勉強はできる人ばかりだったと思うし)。
自分自身、息子ができたら男子校には入れたくない、と常々思っていたのだが、最近は、自分自身の体験を思い返して、本人が共学の公立校で息苦しさを感じていて、行きたいと言うなら行かせてもいいかなぁ、と考えたりしていたので、いろいろと納得できるところが多かった。まあ、いずれにせよまだ10年以上先のことなので、いまから考えても全く杞憂に終わることかもしれないが……