兄夫婦を我が家にお招きする。田無駅まで車で迎えに行ったのだが、帰りに曲がれると思った道が曲がれず(タクシーは曲がっているのに……)、大回りさせられる。田無駅の北口は鬼門である。
兄夫婦はいま立川でマッサージ店を開業しているのだが、立川は寒いという話を聞いたりする。自分も日野に通勤しているのでよく分かる。借家らしいが、広さと家賃を聞いたら、自分たちは武蔵境で駅徒歩15分の駐車場込み1LDKに月14万円払っていたので、それと比べると悠々自適の生活だと思った。
夜は実家に行く。年末年始だし、子どもがバラバラに帰省すると面倒かと思って、兄夫婦と一緒に一度は顔を見せておこうかと……。30分程度の滞在で切り上げようと思ったが、話が脱線して1時間くらい滞在してしまった。しかし、あえて兄夫婦と合わせて行かなくてもよかったような? 次は恐らくゴールデンウィーク以降であろう。
さて、今年も去年と同じく1年を振り返ってみよう。正直なところ、いろいろありすぎて数ヶ月より前のことは忘れてしまっているのだが……。
1-3月
- 志賀高原の NLP 合宿でスキーを初体験する。毎年人生まだやっていないことに挑戦することにしているのだが、1月にして達成する。しかし、低温のところに長時間いたせいか、夜中激しく体調を崩して吐きまくったり、散々であった。スキーは楽しいが、自分は寒いところが苦手なので、考えた方がよいと(振り返っていて)思った。あと、人生初の長時間高速道路運転で京都から東京まで車を持ってきたが、こちらも自分は運転が苦手なので、1時間を超える運転は考えた方がよいと思った。
- ひたすら修士論文の添削をしたり、言語処理学会年次大会の原稿を添削したり、国際会議の投稿論文の添削をしたり、等々。共通タスクなどにも参加。NAISTの学生たちとは4月以降も研究を続ける人は続けるが、ほとんどの人は3月で終わり。半ば自然発生的に言語教育・ウェブテキスト解析の研究グループができていて、教員として成長させてもらったと思う。感謝するばかりである。新しい環境でもこのように研究できたらな、と思う。
- 人生初の長時間(6時間)のトークをこなす。半分以上いただきものの資料ではあったが、これだけの時間喋ることができたのは、大きな自信になった。4月からは授業で毎週90分x15回喋ることになるので、こんなに長時間間を持たせることができるのか心配であったが、自分の専門分野ならなんとかなる、ということが分かった。微妙に専門外の分野でもなんとかできるようになるのが課題である。
- 東京での住まいを探すために、立川や三鷹のあたりをうろうろする。奈良を去る準備を着々と始める。住み慣れた生活を手放すことにブルーになる。
4-6月
- 首都大の准教授になる。独立した研究室を主宰することになる。最初から学部4年生が4人来てくれたので、学生部屋の掃除から一緒にやって、本当に「立ち上げ」であった。最初は学生のデスクトップやプリンタを買わないといけないのに)、使える研究費がないのが一番しんどかった。松本先生が科研費の分担に入れてくださったのが、とてもありがたかった。夏前からぼちぼち、いろんな方から共同研究のオファーをいただいたりしたのも助かった。
- 共同研究の報告会で Microsoft Research Asia を訪問する。人生で初の中国。中2から中国語を勉強していて、将来中国か台湾に行きたいと思っていたので、感無量である(自分の「中二病」は中国だった)。研究自体もうまくいって、とても楽しかった。今年度はさきがけなど外部の研究費にもいくつか書いてみるが、時間がなくて全然書けないし、学生もまだ入ってきたばかりなので、研究費獲得のためのエネルギーはしばらく研究室の立ち上げに使おうと思う。
- ゴールデンウィーク明けは学期末まで休みがないので授業が大変。毎週授業の前日は午前3時くらいまで大学で準備するようになる。学外の研究会等にはとても余裕がなく参加できない。学内の仕事もどういうものがあるのか分からず、とりあえず1年目は様子見ということで、じっとしておく。
- 私事でいろいろあり、週末はだいたい埋まっていてしんどかった。休日にちゃんと休めることの偉大さを知る。東京生活に慣れてきて、だんだん楽しくなってくる。
7-9月
- 学会・研究会関係のお仕事の依頼が増えてくる。招待講演やら学会の委員やら。東京(関東)在住の人は頼まれやすいらしい。これまでお世話になってきたし、初めて頼まれることは基本的に一度は引き受ける方針なので、あまり研究をおろそかにしない程度にお手伝いしたいと思う。
- ACL 2013 に参加する。NAISTでの仕事の発表x3である。こうやってメジャーな国際会議に行くと、久しぶりに会える人もたくさんいて、お互いの近況報告ができたりするのはとても嬉しい。世界の研究コミュニティの中で研究ができているんだ、という気になる。今後もこの水準で研究を続けていきたい。
- NLP若手の会とALAGINの合同シンポジウムを開催する。若手の会は学生〜若手研究者・エンジニアが主体で、ALAGINはシニアな企業の方・研究員が主体なので、思った以上に大変だったが、よい経験になった。来年に活かしたい。その直前に最先端NLP勉強会に参加し、研究の話をたくさん聞けて、とても刺激になった。大学の中だとなかなか同じ専門の人がいないので、外に出るようにしたい。
- 農工大小谷研と合同合宿をする。場所の手配や宴会の準備、リクリエーションの用意、予稿集(合宿のしおり)の印刷など、あらゆることをおんぶにだっこで大変お世話になる。小谷研は今年度で最後、小町研は今年度が最初なので、(西)東京を代表する自然言語処理の研究室となるようがんばりたい。
10-12月
- 共同研究・委託研究などが少しずつスタートする。研究室の学生も、少しずつ自然言語処理のプログラムが書けるようになってきているようで、あとはひたすら経験を積むしかない。久しぶり(10年以上ぶり)に計算機をパーツごとに注文して組み立てたりしたが、パーツを調べるのがかなり手間で、こういうのが好きな学生に調べてもらうか、既製品を買った方がいいと改めて思った。
- 学部2年生の演習と大学院生の演習が始まる。前者後者とも、合計8回だが、一方通行になりがちな講義と違い、いろいろ学生の話を聞けたりして参考になった。学部生の授業はやはり前日は4時過ぎまで準備にかかり、しかも毎回課題を出していたので採点に毎週6時間以上費やしてしまったので、いろいろと苦労するも、得難い経験であった。通勤時間にずっと学部生の教育について考えるようになった。
- 学部3年生が仮配属生として研究室に来るようになった(本配属は改めて希望を出す)。彼らと研究室の学生と一緒に機械学習の勉強をスタートするが、これをやっておかないと研究に差し障りがあったことにようやく気がつく。国際会議の論文紹介も遅ればせながら開始。研究室の勉強会として何が必要で、いつからやるべきか、ということを家でよく考えるようになった。
- 情報通信コースの教員の忘年会、研究室の忘年会、入力メソッドの忘年会を開催する。幹事はこれで一区切り、と思いたいが、来年は別の幹事を頼まれていたりして、まだしばらく幹事生活は続きそう。ともあれ、いろんな人が出会って楽しく語らう時間を提供するのは誰かがやらないといけない仕事なので、喜んでくださる人がいるならやりたいと思う。
あと今年の抱負の点検。
- 期待を裏切らない
- 新しい環境に飛び込む
- 最先端に挑戦する
1番目はみなさんどう評価してくださるか分からないが、自分的には30%くらい。2番目は90%できたかな。3番目は厳しくて、これも30%くらいか。総合すると、50%くらいの出来だと思う。環境の激変があったとはいえ、猛省しなければならないレベルである。来年はさらに時間の使い方に気をつけないといけなくなりそうなので、気を引き締めていきたい。
それではみなさん、また来年!