30年を超える研究室の歴史

朝6時起きで出かける準備。雨がすごい……。

バスで武蔵境まで行き (バス停までの数百メートルで相当濡れた)、中央線〜総武線秋葉原に行き、TXでつくば。

筑波に来るのは5年ぶりくらいだろうか。M1のとき、乾先生に連れられて、田中穂積先生を囲む会 (東工大の田中研究室出身の教員が、それぞれの研究室の学生に発表させる会) に出席して、その当時始めていた「事態性名詞の項構造解析」についてポスター発表してきたのである (ポスターとはいえ、Powerpoint のスライドを印刷しただけだが)。田中穂積先生を囲む会はその後N大学合同研 (JAISTNAIST東工大を3年ごとにぐるぐる回る合同研究会) に吸収されたが、N大学合同研は田中先生が亡くなった前後に (NLP 若手の会シンポジウムが定着したこともあって) 消滅したので、いまではそういう合同研的なものはなくなってしまった。

こういうとき、いつも思い出すのは田中穂積先生の思い出という文章である。ここまでたくさんの人たちに影響を与えた先生は、早々いない。先日最先端NLP勉強会という合宿で、乾先生から「研究室の1期生は大事だ、どの研究室も、一期生やそれに近い研究室ができたばかりに来た学生が、その後博士号を取得して研究者になって、現在の自然言語処理の研究を支えている」というお話をお伺いして、確かにできたばかりの研究室 (あるいは定年まで5年を切って、少しずつ博士の学生を受け入れたりできなくなっていく研究室) には独特の雰囲気があるのかも、と思ったりする。

今日筑波に来たのは東京農工大 (今回初めて知ったが「東京農工大学」が正式名称だそうだ。「東京農業工業大学」などではない) の小谷研究室との合同合宿に参加するためである。合同とはいえ、場所の手配やプログラム編成、合宿のしおり作成、写真撮影など全て小谷研究室の方々にお任せしたので、名実ともに小谷研究室にお邪魔させてもらったという形である。

初日は15時から研究発表が始まる予定なのだが、昼ご飯を食べてからしばらく空き時間があり、ゲーム大会の開始。こういうのはさすがゲームと言語を研究テーマとしている研究室で、初めて見るゲームばかり……。結局「CAT & CHOCOLATE」という会話を楽しむタイプのカードゲームと、同じくモノポリーのように駆け引きを楽しくタイプの豆を育てるカードゲーム (名前は失念) をプレイ。こういうゲームはランダムな要素が入るので初心者でも参加できるし、知らない人とでも楽しめるのはよい。(逆に言うとあまり慣れる要素がないような……)

研究発表は農工大、首都大、筑波大の人たちをうまくブレンドしてくれていて、それぞれ興味深かった。農工大の言語班の人の発表は、以前聞いたことがあったが、うちの学生は外部の学生のNLPに関する発表を聞くのは初めてだろうし、以前Googleに遊びに行ったとき用意してもらったスライドは5分間ぶんだけだったが、今回はちょっと長くなった (15分) ため、もう少し詳しく話せるので、有意義な議論ができたと思う。

夕ご飯を食べ、22:30から懇親会。「博士 (のろけ) はどうやったら取得できるんですか」と言われたり (汗) あと、小谷研ができたのが、自分が生まれる前であったことを知り、びっくりする。小谷先生が農工大に講師でいらした (数年後に助教授) のは、実に36年前だそうだ (小講座制で、教授の先生と2人で研究室を回してらしたそうで、そういう意味では完全に小谷先生だけになってからはもっと日が浅いのだろうけど)。自分は今年35歳で、どうがんばっても首都大では30年しか研究室を持てないのだが、これまで生きてきたのと同じくらいの年月がまだある、と思うと、呆然とする (30年後も言語処理をやっているのだろうか?)。

お風呂に入って1時半ごろ会場に戻るとちょうど片付けをしているところであった。みんな2日目もあるのに元気……。