査読結果に対する返信文を考えるのも共著者の役割

朝、事務処理。昨日の講演は謝金が出るので兼業届を出す必要があり、書類を準備したりする。あと、合宿の出張書類も用意したり。人数が多いと結構大変である。まあ、一度やっておけばやり方が分かるので、年度末の言語処理学会に行くとき楽になっているだろう。あと、また毎日新聞コーパス (今度は98-01年) を買おうとしていて、手続きに追われる。これだけで午前中潰れたが……。

昼過ぎ、ウェブサイトの微妙な更新。研究室のサイトにあまり情報がないのだが、ないからといって公開しないわけではなく、ないうちから公開して充実させる圧力を自分にかけるメソッド。学生の人で自分のホームページがない人は、作った方がいいと思う。最初はコンテンツがないので公開したくないかもしれないが、公開していると書きたいことが増えてくるので、コンテンツがないうちからあえて公開するのがミソなのである (業績すらないなら、何も書き足すことがなくても失うものはないわけで)。

「メジャーデビューする前のインディーズのころから追っかけてた」みたいな感じで、メジャーデビューしたものをいいと言うのは誰だってできるが、まだメジャーデビューしていないうちからポテンシャルを見出すのは (外すリスクもあるが) 才能の一つであるし、そういうリスクを取れるほうがかっこいいと思うのである (ただし、それはかっこ悪いと思う人もいるだろう)。

午後は照会後判定で返ってきていた論文誌の査読の返信レターのチェック。自分も最初は返信をどう書けばいいのか分からなかったが、添削してもらったり、自分が査読する側になったりして、どういうふうに書けば査読者にとって読みやすいのかが分かってきたので、直す側からすると面倒くさいと思うだろうがコメントすることにしている。

というのも、論文は採録されたもの (正例) に関しては見ることができるが採録されていないもの (負例) は見ることができないので、査読をする側にならないと境界線が分からない、という問題があるが、論文誌の査読者とのやり取りだと採録された論文に関する返信レターおよびどのように改訂したかの差分が正例に当たり、初めて論文誌を書く人はこの正例すら見ることができないのである (投稿して落とされた場合、負例は増えていくが……)。従って、どのような方針でどう書けばいいか、ということを第一著者に伝えるのは、(少なくとも論文誌を通したことのある) 共著者の仕事だと思う。

返信レターの書き方について書かれた数少ない本の一つが以下なので、もし共著者の手を煩わせず返信レターの書き方を知りたいなら、読んでみると参考になるだろう。

これから論文を書く若者のために 大改訂増補版

これから論文を書く若者のために 大改訂増補版

夕方、学生室に行って雑談。開発に関すること、研究に関することも少し話す。用事がなくても学生室にいると他愛のないことでも気軽に話せる (それがけっこう大事な話につながったりすることもある) ので、自分もできるだけ学生室に行こうと思った。

夜は10月31日に予定している講演会の調整や後期の演習の準備。大学院の授業を担当するのは初めてなので、どうやるのがいいかいまいち分かっていないと思ったが、よくよく考えると大学院での教員経験は3年間あるので、いつも通りやればいいかと思い直したら気が楽になった。ちなみに、大学院の授業は年間1コマ (90分x15回) 担当することになっていて、隔年で講義と演習をやるそうだ。今年自分の担当は演習で、データマイニング的な内容 (自然言語処理もその中で使う) をやろうかと計画中。来年は自然言語処理についての講義をする予定だが、学部の授業も1コマ増えるので、前期と後期に分散しないと準備が大変そう……。