選択と集中とは何をやらないか決めること

今日は午前中在学生に対するガイダンス出席のために日野キャンパス、午後は新任教員研修のために南大沢キャンパスなので車で出勤。朝の時間帯、都心から八王子方面はスムーズに流れていて、50分ほどで到着。電車通勤より20分早い……。

今日と明日が健康診断の日で、学生はだいたい今日明日には学校に来るそうなので、小町研のキックオフミーティングの案内を掲示板に貼っておく。まだ居室にプリンタがないので自宅で印刷したり、いつまでに招集をかけないといけないかもよく分からない (大学の仕事関係の〆切が多すぎる) ので、準備するのも大変。

4月1日から使える基本の研究費があるそうなので、早くプリンタを購入したいのだが、会計の説明会が4月の中旬にならないと開催されないそうで、これでは実質4月中旬まで買えない。個別に聞きに行って教えてもらったけど、研究室配属後の最初の学生顔合わせが4月の上旬にやるなら4月の中旬だと間に合ってないし、外部から来て研究室を立ち上げる人は全員同じ問題があるような?

NAISTから、科研費の若手Aに出していたのが不採択であったという連絡をもらう。松本研にいるならそんなに自分で研究費を取らなくてもお金がないということはないし (松本先生が取ってきてくれるから)、どういう形にせよ今年は松本研をしばらく離れようと思っていたので、あえてBではなくAに出していた (研究費ががっつりほしいわけではないので、金額はほとんどB) のだが、ないのはないでちょっと不安ではある。

まあ、学内で配分される研究費と継続している研究助成を合わせると、今年度の研究費は200万円くらいあるし、学生数がB4の4名と最初は少ないので、パーテーションみたいな什器関係や学生用のデスクトップ PC などの初期投資をして、学生数が定常状態になってからが本番かなぁ。学生数としてはB4が毎年3人±1人来て、B4で研究室配属されたうちの7割がそのまま修士に進学するようなので、B4、M1、M2の3学年が揃ったところ (合計10人前後) が定常状態のようである。

午前中は学部2年生に対するガイダンスと学部3年生に対するガイダンス。こんなに毎学年末懇切丁寧にガイダンスをやるのかとびっくりする。ただ、やる側は2日間で全学年に対してやるのでヘトヘトになるが、受ける側は年に1回しかないので、こうやって全員集まる儀式的な日があってもいいと思う。2年生はまだ1年間南大沢キャンパスなのでフレッシュな感じだし、3年生は今月から本格的に日野キャンパスなので観念した感じである。授業のある日は1時間に1-2本キャンパス間を往復する無料シャトルバスがあるそうで、南大沢から引っ越さない人もいるみたいだけど……。(研究が始まったら、無料シャトルバスのない長期休暇のときどうするの、と思わなくもないのだが)

実は午後にも在学生 (B4とM2) に対するガイダンスがあったのだが、南大沢で新任教員研修があったので抜けさせてもらって車で移動。車だと30分かからずに移動できるのだが、シャトルバスは本数が少ないのと、行ける時間を選べないのがちょっと不便だし、電車で行くとなると豊田〜八王子〜橋本〜南大沢と2回乗り換える必要があり、1時間くらいかかるようなのである。

iPhone で音声ナビを使いながら行くとそれほど迷わず南大沢キャンパスに到着。新任教員研修、学長の話、大学の沿革の話、学生委員会からの話、事務的な話、シラバスの作り方の講義と演習なのだが、一番よかったのは学長の話かなぁ。自分たちで大学を作るという気持ちでがんばってほしい、という檄を飛ばされたのだが、最近の首都大は「選択と集中」というポリシーで、総花的に研究するのではなく、重点分野を決めて進めているそうである。自分もこの方針には賛成で、日本の大学は全部カバーしようとしがちなのだが、こうやって「ここはやらない」と決めてそこで確保したリソースを他に回して競争力を高める、というようなことをもっとやったらいいと思っている。NAISTもかなり思い切って集中する分野を決めていると思うが、研究ではやはり「何をするか」と同じくらい「何をしないか」も重要だと思う。

他の話は、聞かないより聞いたほうがいいとは思うが、時間の割に実がないというか、資料を読めば3分で終わることを30分かけて解説するのはいかがなものかと……(少なくとも人文系の授業と理工系の授業は相当違うので、人文系の作り方で「こうシラバスを作るべきなので、自己批判しなさい」と言われても白ける)。まあこういう研修は2回目らしいので、今後に期待である。

懇親会では武蔵出身だという原島学長としばらくお話する。学長自身は武蔵出身の教員が首都大にどれくらいいるかなんて意識したことはないそうだが、情報系の教員では、システムデザイン学部の阿保教授と自分、そして原島学長の3人くらいのようだが、同窓会名簿によると、実は10人くらいいるようなのである。原島学長から日本の計算機科学の黎明期の話をお聞きしたり、今後の首都大の構想をお聞きしたりする。日野キャンパスも2年後だか3年後だかにキャンパスに新しく巨大な実験棟ができるそうだし、情報系の一つの拠点となればいいな。

あと、教育学の准教授になった人と、同じくシステムデザイン学部助教になった人となんでかいろいろ話す。三者三様、いろんな経歴でここまで来ていておもしろい。多種多様な人と出会えるというのはやはり総合大学のよいところだなぁ。システムデザイン学部の学生も、3年生以降はキャンパスが南大沢から日野に変わってしまうのだが、最初の2年でいろんな人たちと知り合いになって、生涯の友人を作ってもらいたいものだと思う。

帰りは自分の帰路の途中だったので、お2人を車で送って帰る。行きより帰りのほうがさらにスムーズに帰れる。前日野から国立に行く道が混んでいたのは日曜日の夕方だったからかな?