つらつらとエッセイを書くのも良し悪し

出勤すると、とあるテレビ局から電話があったとの連絡。前も同じようにとあるテレビ局から電話をもらったのだが、恐らく自分が「ハッカーを育てる」というタイトルの文章 (エッセイ) を公開しているので、セキュリティ関係の話題があったとき自分にときどき問い合わせが来るのである。しかし、ちゃんと中を読んでくれたらそういう趣旨ではないことは明らかなので、読んでくれていない感がある。ローカル局ならまだしも、キー局の人たちがこれでは、報道内容は推して知るべし、という……。最近は「ホワイトハッカー」なる用語すら登場しているようで、なにがなんだか分からないが、とにかくそういう関係の問い合わせを自分にされても困るので、Acrobat で PDF に大きく注意書きを書いておいた。

エッセイといえば、今日の通勤途中、「Developer's Code 本物のプログラマがしていること」を読んでみた。

Developer's Code 本物のプログラマがしていること

Developer's Code 本物のプログラマがしていること

 
目新しいことはどこにもないのだが、それぞれが短いエッセイ集なので気楽に読める。ただ、日本語版の訳が微妙なので、英語版で読んだほうがいいかもしれない。いずれにせよエッセイだし……

昼はメールの処理をしていると、某ワークショップの原稿で、セクションのタイトルのフォントが大きいのでは、ということと、あとフォントの埋め込みがされていない、という指摘を受けたとの相談があり、LaTeX のセットアップから見直し。大きさ的には0.5ポイント程度しか違わないと思うのだが、よくチェックしているものだ。フォントの埋め込みに関しては、WindowsLaTeX なんて10年以上使っていないので完全に忘却の彼方であったが、なんとか設定。

合間合間に別件で、ここ5年くらい ChaSenMeCab のインストール・セットアップ・使い方のチュートリアルをしている方が、Windows 8 になってから ChaSen が使えなくなった、ということでサポート。インストールは先日 teruaki-o くんにやってもらったので、できているはずなのだが、できないそうなのだ。直接来ていただいて一瞬で分かったのだが、実行すると表示されるメッセージに、Excelで tsv ファイルを開こうとすると「Excel ファイルじゃないですが、開いていいですか」と出てきて、選択肢が「はい」「いいえ」「キャンセル」で、「はい」以外を選択すると開けないようだ。なんでこんなことに……。他にも chasenrc を書き換えたりだとかしてお渡しする。これは100%人文系の人には相当厳しいが、なんとかならないものだろうか。

午後はひたすら修士論文のチェック。2件はそれぞれ1時間ずつで見られたのだが、1件がなかなか終わらない。日曜日から見ているのだが、毎日2-3時間かけて1-2章ずつ、という感じ。ただ、今回は研究室の教員全員で添削するため、誰かが添削中だと他の人が添削できないので、あまり長く握ってもいられない。他の人の添削をものすごい勢いで片付けて後ろから猛追する松本先生を辛くも振り切り、午前1時半までかかって添削終了。時間はかかったが、読みごたえがあっておもしろかった。

本人は謙遜して「ブログ文体」と言っていたが、自分も修士のとき論文の添削を受けていて「小町くんの論文は生駒日記文体だから、論文の書き方と違う」と指摘してもらったのを思い出した。確かに、論文は頭に結論、旧情報から新情報、各パラグラフのトピックセンテンスを意識する、などいろいろ気をつけるべき部分があるのだが (要は、受験英語で「こうやれば読める」と言われたように書く。そうやれば読めるのは、実は書く人が気をつけて書いてくれているだけで、悪文はそんなことをしても読めない。)、日記ではあえてそういう書き方を無視して書いているので、書きすぎると論文の執筆能力に影響を与えるのである。

とりあえず自分が見るべき人のものはこれで全部1回は見終わったので、明日からは最後のチェックに向けてラストスパート。学生は当日までだが、教員はギリギリまで直すわけにはいかない (反映する時間が必要) ので、〆切 (今週の木曜日) の午前中くらいまでが勝負なのである。それ以降は、内容にコメントしても反映する時間がないし、校正と英文アブストラクトのチェックくらいかなぁ。