1週間ずつやることが分かれば研究は進み始める

週末に休みがなかったので週明けがつらい……。今年のM2の人はほとんど研究室に来ていないという話を聞いたが、ちゃんと修士論文あるいは言語処理学会年次大会の原稿は進んでいるのだろうか。確かに年明け毎日昼と夜研究室に来ていたのに、会ったM2の人は数人しかいないような気がする。(研究室に来たから進むというものでもないが)

お昼は[twitter:@sorami]くんの学内発表。deep learning構文解析に使うという話で、タスクは前から聞いていたのだが、実験結果が入っているバージョンは初めて見たので同じ研究室ながら思わずコメント (普段は、同じ研究室ならわざわざ他の研究室の人がコメントする機会を奪わなくてもあとで質問できるから、黙っているのだが)。考えてみると、12月は同じく構文解析ながら、統数研のシンポジウムに行っていて、研究室内での彼の発表を聞いていないのであった。手法の特性を理解してうまく行きそうなタスク (設定) で評価するといいんじゃないかな。(あらゆる設定でうまくいくような夢の手法は基本的に存在せず、特定の状況ならこの手法はうまくいく、ということが大半なので、やってみてうまく行かないこともしょっちゅうある)

午後、[twitter:@Nakamura_NAIST] 先生のところに新年のご挨拶。30分ほど立ち話で、助教授として NAIST に赴任されたころのお話や、ATR/NICTNAIST との違いについてお伺いしたりする。大学の方が好きな研究をしやすい、というのは、大学以外にどっぷりいないので分からないが、確かに大学だと「この研究をしなさい」と言われることは (少なくとも PI、つまり研究室の主宰者であれば) ないので、自由度は高いだろうな〜。あと、学生と一緒に研究するようになると、自分自身手を動かせることは減ってくるが、研究の幅を広げることができるので、逆にそれを楽しむとよい、というにもおっしゃる通りで、自分自身助教になって2年目からは、学生の人たちに教わることばかりで、新しい事実 (世の中の誰も知らないこと) を発見することができ、おもしろかった。

@Nakamura_NAIST 先生も自分でもやっぱりプログラムを書くのが楽しい、とのことで、Python の勉強を始められたそうで、すばらしい。教授クラスの方がプログラミングにも興味を持ってくれている、というのは研究室の学生にとっては過ごしやすいのではないかと思う。松本先生も、お部屋に行くとオライリーPython の本が積ん読されているのだが、いつも最終的には Prolog 最強というお話になるのであった。(あ、さすがに最強というのは誇張しすぎだが……)

夕方はソーシャルメディア解析勉強会で、hayato-n くんによる進捗報告。M2の人たちがあらゆるコメントをしていて、どれもごもっともで自分が付け加えることがないくらいで、みんなすごいなぁと思う。切磋琢磨して自然言語処理的な物の見方が見についているのだろう。自分は何もしていないが、松本研は学生同士でお互いを高めていけるのが素晴らしい環境である。

とはいっても何も言わないのもアレなので、ちょっと厳しいことも言ってみたり (多少嫌われ役になるのも、教員だから仕方ないこともある)、全体像を確認してみたり、具体的に何をすればいいのかを確認してみたり。何をすればいいか分かっていても踏み出せないこともあるが、1週間単位で次に何をするべきが分かれば、方向性が正しいなら少しずつは前に進んで行くのである。

修士の2年間は長いようでいて短いので、できるだけ早く研究を起動に乗せることが重要で、そのためにはスタッフだとか先輩だとか、教わることができる機会は最大限に利用したほうがいいように思う。(いまのM1の人たちは先輩や同期に頼ることには遠慮しないのはいいことだが、スタッフにもっと聞いてもいいような?)

進捗報告のあと、個別にM2の人たちの研究相談x4。みなさんそれぞれに進んでいて頼もしい。自分はときどき結果を聞かせてもらって勉強させてもらっている感じ。

個別に就職相談を受けてみたり。基本的にはこれまでやってきたことで話せる内容があり、コミュニケーションがきちんととれる人はいいと思う。結局は、人を動かすのが一番大変で、それができる人ならどこでもやっていけるんじゃないかな。

言語処理学会年次大会の原稿、週末に7件チェックしたが、今日は2件しかチェックできず。うーん、今週は時間が一気になくなってしまう。