2011年 NLP 若手の会シンポジウム初日: みんなで手分けして問題に取り組むことの重要性

朝の会場の設営のため、朝7時に起きて一人だけ NAIST に戻ってくる。泊まっていた宿の下に鹿がたむろしていた。まだ雨が降っていたので、雨宿りしていたのだろう。(こういうふうに全ての客室が離れになっていて、ゆったり過ごせるので、また機会があったら夫婦で来たい。奈良に住んでいるとわざわざ泊まりには来ないと思うけど……)

@stomohide さんから「設営は誰かに任せてしまうことはできないんですか」と言われ、それもそうかと思いつつ、雑用を他の人に任せることはちょっと心理的抵抗が高いので (自分が今年 NAIST でやりますと言わなければ生じなかった仕事だし)、なかなか難しい。

研究室にいた人たちみなさんの協力により、ポスター会場の設営とコロキウム会場の設営は30分強で終了。朝早くに集合してくれて、大感謝。ちょっと雨脚が強くなってきているようだが、コロキウムのパネリストの方々もタクシー利用で到着したらしい。一安心。

会場の案内の紙だとかなんだとか、実は用意していなかったので、急いであちこちに貼ったり受付をお願いしたり。どこに何が必要か、去年もいろいろと貼った記憶はあるのだが、メモっていなかったので、当日気がつき次第貼る、という場当たり的対処なので意外に時間を取られる。

10時からのNAIST 未来開拓コロキウム 自然言語処理の最前線 のパネル討論は以下の方々にご協力いただいた (スライド資料は上記リンク先参照)。

お一人7.5分の持ち時間で、現在取り組んでいる研究内容、そして現在抱えている問題について話してもらい、自然言語処理の難しいところを共有しよう、というのがこのパネルの目的。特に、若手研究者といままさに学生の人たちに向けて、いろいろ未解決の問題があって難しいけど、そういう課題に取り組むのはおもしろい、ということが伝わって、10人に1人でもいいから地道な研究に興味を持ってくれる人が出てくれたらなぁ、というのが自分の狙いであった。「知の高速道路」と言われるように、いまは教科書なりビデオレクチャーなり勉強会なりが溢れていて、いま研究を始めた若い人でも世の中の研究の最先端まであっという間に到達することができるのだが、高速道路が終わったところではたしてなにをすればよいか? どのように進んでいけばよいか? ということを (答えはないけれど) 議論できればいいかと思うのである。

これは @hillbig くんが 情報科学若手の会 でも話していて印象的だったことだが、研究というのは「俺の屍を超えて行け」というようなもので、先人が到達したところまで自分がなんとかして到達し、そこから10人に1人でもいいから先に進むことに成功する人がいて、たまたま先に進めた人も、自分の成果を乗り越えて他の人が次に行くことを喜びと感じる、研究コミュニティ全体でなにか成果が挙がればよいと思う、そういう生き方なのだと思う。

最後松本先生からいくつか質問があり、「今回のパネル討論では細かい技術的な話が多かったが、もっとビジョンを見せてほしい。研究や開発で悩んでいることは何なのか。そもそもいまの自然言語処理の抱える問題は一人で全部できないくらい巨大で、みんなで協力して分担したり手分けしたりしないといけないが、どのように分担すればいいのか。将来の見通しについて聞かせてほしい」という話 (もはやうろ覚えだが……)。パネリストの方々1人1人に答えてもらう。確かに、そういう「手分けして現実の問題を解決する」という体制を作れるとよいと思うし、こういう若い人たちが中心となって (物理的にはバラバラの場所にいても) 協力して問題に取り組んで行けたらな、と思っている。

午後から NLP 若手の会シンポジウム。案内表示をあちこち貼って回ったり、ポスターの番号を貼って回ったり、あちこちばたばたする。台風の影響かなんなのか、自宅が雨漏りしているという連絡をいただいたので、なんとか自分の家に戻りたいのだが、確認と往復を考えると30分かかるので、その30分が全く捻出できない。もちろん、全くポスターを見ている暇がない。松本先生が「ローカルオーガナイザーになると発表を聞いている暇がない」とおっしゃっていたが、こういうことか。

↑この写真は今回最優秀奨励賞を受賞された @unnonouno さんの発表に人だかりができているの図。@unnonouno さん、自分の発表時間がまだなのにポスター使って説明を始め、結局この日懇親会までずっと話されていたような (笑) というか、自分も話聞きたかったが……

夕方少し時間ができたので、なんとか家に戻って室内をチェックしたところ、雨が入っていた模様はなく、どうも外壁経由で入っていたのではないか、という感じ (そういうこと、あるらしい)。いずれにせよ下の階の方にお詫びをしに行ったり (そもそも昨日家にいなかったので……)。昼間もお弁当を食べる時間がなかったので、なんとかお弁当を食べたり。

夜は懇親会。なんとか台風の影響もないようで、歩いて学研北生駒駅まで歩いていかれる人もいるようで、ほっと一息。鍛治さんから松本先生が突然乾杯の音頭を振られていたが、いつもの (学生はもっと偉そうにするべきだ、という) お話をされていた (笑)

少し早めにお帰りになる方々をバス停までお送りして、最後の1人まで懇親会場からお帰りになるのを見送って、ひとまず初日は終了。疲れた〜。2日目の午前中は NICT という研究所のツアーで大学は開けなくていいので、少し楽。今週を乗り越えれば一段落なので、がんばろう。