行列のできる自然言語処理勉強会

突然思い立って 第7回 東京自然言語処理勉強会 に参加。朝エクスプレス予約で新幹線を押さえ、京都駅乗り換え3分でなんとか滑り込む。人数的にはキャンセル待ちだったが、キャンセルが順調に (?) 出てぎりぎり参加できることになった。そもそも50人定員のところ、キャンセル待ちになるほど大盛況というのもすごいのであるが。

会場は渋谷から歩いて10分ほど、ECナビの会社の中。以前半年だけ駒場に住んでいたので、このあたりはちょくちょく自転車で通っていたことがあるのだが、渋谷もこちら側はあまりおもしろくない。駒場から松濤を抜けて Bunkamura に出る道のほうが好きだなぁ。

1時間遅れで会場に到着。話す人が5人で13時開始だと何時に終わるのか全く予想できなかったが、どうやら1人1時間程度が持ち時間らしい……すごい勉強会だ。

最近 NL 研 (情報処理学会自然言語処理研究会) の発表件数・参加件数ともに少ないという現象が深刻で、NLP 若手の会に人が流れているせいではないか、という説を聞くのだが、今年は NLP 若手の会シンポジウムと NL 研の開催日時と場所が独立したら両方とも参加人数 (推定) が減ったので、若手の会シンポジウムは NL 研の参加人数を減らしているどころか増やしていたのではないかなぁ (逆もまた真なりで、若手の会だけだとそこまでの求心力はないということなのだろう)。

今日みなさんの話を聞いて思うのは、NL 研のようなアカデミックなところに行くよりも、こういうエンジニア系の勉強会に行く方が活気があるし、NL 研で発表しても (参加者が少ないので) 適切なコメントがもらえる保証もないし、同じ発表ならエンジニア系の勉強会で話すほうが楽しいのではないかな。論文紹介のような研究寄りのものから、こんなものを作れます/作りましたという実装寄りの話もあるし、企業の人の事例報告もあって、大変勉強になる。なにが「勉強になる」「刺激になる」と感じるかは人それぞれだろうが、企業の人や学生の人は NL 研の話よりこちらの話のほうが聞いていて楽しいだろうな〜。

個人的に一番楽しみにしていたのは @stakemura さんのお話。自然言語処理を現場に活かす事例報告なのだが、多々参考になる。人数が少ないのが悩ましいという話だが、こういうふうに少しでも自然言語処理を分かって適用する人をいろんな企業に少しずつ送り込む、というのも大学の一つの役目なのだろうと思っている。@stakemura さんとは実は前にもなにかのときにすれ違ったと思うのだが、今回初めてお話をお伺いすることができてよかった。

しかし @tomo_wb くんや @keiskS くんなど、松本研の修士の人が合わせて4人もいたのだが、これは奈良の研究室より多いような……。そう考えると、学生の人数が多いように気がしていたが、研究室にいる人数は常に1桁 (ほとんど来ない人も多いし、来るにしても昼型と夜型の人がいる) なので、そんなに多くないのかもしれない。

19時半くらいから懇親会。20人ほどでがやがやと。話していると、中学生の方がいて、「入門自然言語処理」を読んで Python でコードを書いている、と聞いてびっくり。

入門 自然言語処理

入門 自然言語処理

学部生がいるというのでも「やる気あるなぁ」と思ったものだが、中学生というのは予想だにしなかった。「入門自然言語処理」にはいろいろ異論がある方もいらっしゃるだろうが (「なんで Python」とか「Python で書くにしても NLTK はどうかと思う」とか)、自然言語処理の裾野を広げるには間違いなく貢献していると思う。

@AntiBayesさんや@hitoshi_ni さんや @overlast さんたちと自然言語処理の今後について憂う会を開催していたのだが、時間切れ。この話題はまた日を改めて話したい :) @nokuno さんいつも勉強会運営お疲れさまです!