ベルギービールで Microsoft Research インターン同窓会

朝から六本木ヒルズ。連日来ている自分は断じてヒルズマニアではないが、フロアによってこうも違うのか、とびっくりする。GREE もあるらしいのだが、GREE もオサレな感じになっているのだろうか……。

お昼を挟んで午後は@shichisekiさんとコーヒー飲んだり。多様性が大事ですよね、という話をする。というのも、最近読んだ本「多様な意見はなぜ正しいのか」がそういう内容で、個々人の質がいくらよかろうと、バックグラウンドが同じだと同じ状況では同じような判断しか下せず、多様な現実世界の複雑な問題に対応できない、という定理があるそうだ。

「多様な意見」はなぜ正しいのか

「多様な意見」はなぜ正しいのか

一般向けに機械学習や最適化理論を説明するのは難しいだろうな、とは思うが、内容としては(トピックトピックはおもしろいのだが)散漫な感じだし、なにより訳がひどいのであまりお勧めはしないし、「多様性研究のランドマークになる名著」というオビは全く賛同できない。タイトルも半分釣りである。同じ内容が講談社新書あたりから出るならまだ分かるけど、how to say に関してはこの本は相当手抜きだと思う。(これ東大の生協の書籍部でお勧めされていたのだが、平積みにした人はちゃんと読んだのだろうか?) とはいえ、工学以外の文脈でこういう多様性研究を引用するのであれば、今後これが引用されてしまうのかなと思うので、ブースティングとかアンサンブル学習(文殊の知恵みたいな)に興味のある人は一応眼を通しておいたほうがいいかもしれない。

それはさておき、NAISTはいいところだったよなあ、という昔話をしたり。なまじっか研究力教育力日本一になってしまって、ランキング好きな学生が集まると嫌ですね、と話したり。ランキングも一次元の尺度なので、こんなものに心動かされて来る人ばかりだと、せっかくのNAISTの多様性(ピンキリを受け入れる代償であるが)が失われてしまうだろうし、進学したいのに変な試験のせいで進学できない人がいるよりは、倍率は今くらいのまま推移してほしいものだけど。

夕方は初台で共同研究の打ち合わせ。気さくな方々ばかりで相当好印象。ヘッドハンターの方々には悪いが、自分は自らの給料を上げることより、日本の自然言語処理業界を底上げすることのほうに関心が高い。また東京に来て打ち合わせをすることに。

夜はMicrosoft Researchのインターン同窓会。MSRAに行っていた人たち(4人)と、MSRに行っていた人たち(4人)に加え、インターンシップに興味ある方々など。自然言語処理でもRedmondへは自分の翌年@mhagiwaraさん、そして1年開けて羽鳥さん、と、ここ数年日本人が行っているので、こういう流れが定着してほしいと思う(Hisamiさんありがとうございます!)。MSRAでも@Yuki_araseさんが自然言語処理グループに入ったそうで、これから自然言語処理業界はおもしろくなりますよ〜。会場は新宿サザンテラスのリトルデリリウムベルギービールだったのだが、おいしかったので飲み過ぎたかも……。@msraurjp さん企画どうもありがとうございました!

東京発の終電で奈良に帰ってきたのだが、奈良に来ると落ち着くなあ〜。虫の音が非常によい。東京だと雑音ばかり。まあ、虫の音(あるいは風鈴の音)を心地よいと感じない文化の人もいるらしいので、日本に産まれ育ってよかったと自分は思う。