文法が役に立つかと問われたら

今日は NAIST の SVM 合宿があるので上の子も学童に行ってもらう(下の子は土曜保育)。

午前中はメール処理したりなんだり2時間ほどお仕事。

午後は1時から5時まで SVM 合宿(NAIST 松本研の同窓会的な勉強会)。在学生の研究発表もあり、松本先生も含めて色々コメントがあるのはいいなと思う。卒業生の近況報告については、卒業してから結構経つのにみなさん研究していてすごいなと思う。当然といえば当然かもしれないが、今週水曜日の永田さんのトークのように、自分で手を動かして研究する、ということは自分はここ5年ほどはやっていないので(そろそろやりたいな、というのがサバティカルの取得につながっていたのだが、サバティカルがまだ取得できていない)。

最後のセッションで「構文解析は役に立つか」というパネルディスカッション的なものがあり、指名されたので「昔はいざ知らず、現在は明示的に構文的な情報を入れなくても事前学習モデルで構文的な情報が獲得できる、という話もあるし、苦手な構造(e.g. 否定)もあることが知られているものの、深層学習時代の end-to-end のフレームワークでは、明示的な構文解析は言語理解タスクの全体の性能向上には必ずしも役に立たないのではないか。ただし、言語生成タスクでは明示的に文法的な情報を考慮したいこともあるので、むしろ言語生成のために必要になる可能性がある」という話をしてみたりする。他の方々もそれぞれの立場で「なるほど」と思うような回答をされていて、さすがであった(クローズドな会なので、どういう回答であったかはここでは書かないが)。

ちなみに、月曜日の NAIST DSC NLP セミナーで宮尾さんが全く同じ質問を受けたときは「この質問に対する自分なりの回答は昔からあるが、最近感じていることも含めて、こういうオープンな場所で言うことは憚られるかもしれないので、懇親会みたいな場所でこっそり聞いてください」と回答されていたのが印象的であった。(自分は最近構文解析の研究を始めたため、昔からの自分なりの回答というものを持っていなかったので、こういう機会で指名してもらって考えることができたのは、いい機会だった)

今週は色々と自分の自然言語処理との向き合い方について考えることができて、よい1週間であった。