久しぶりに暑い今年の夏

こうも連日暑いのは久しぶりである。とはいえ、いま家にエアコンがないので扇風機で凌いでいるが、そもそも実家でエアコンは使っていなかったし、中学高校大学とずっと教室にエアコンなんてなかったし、日本の暑さは確かに不快だが、そこまでエアコンかけっぱなしにしないといけないほど暑いかと言われると、そこまで暑くはない。

かくいう自分も誰かが家に来たとき用にエアコンでもつけておくべきか、とは思ったのだが、どうも今年は連日の猛暑で、いまエアコンの設置を頼んでも1-2ヶ月待ちだそうで、そもそも自分だけだったら年に何回も使うものでもないので、安くなったとはいえ無用の長物なので(暑ければ研究室に行けばいいだけだし)、この夏は設置しないことにした。むしろ自分が耐えられないのは暑さではなく寒さなので、冬寒かったら検討するかもしれないが……。

日本だってほんの20年前まではこんなエアコン使っていなかったわけだし、エアコンがないだけで生産効率が落ちるのであれば、日本の高度経済成長なんてありえなかったわけで、なくったって問題ないんじゃないか、と個人的には思うのだが……。日本には、そういう暑さを乗り切る知恵がずっとあったわけで、夏なら薄い布団で寝ればいいのに、夜中じゅうエアコンかけて厚い布団を頭から被って寝る人がいるということを NAIST に来てから知ってショックだった。(もちろん、高齢の人や病気の人のように、暑さで衰弱したり死んでしまったりする人もいるので、完全に否定するものではないのだが、健康な成人が頼り切って生活を成り立たせるものではない、という意味)

たとえば、去年はシリコンバレーにいたので日本の夏がどうであったか微妙に思い出せないのだが、ルームメイトの Laura が「本当に暑いときは窓を開けない方がいい。シェードを全部落としておくと、日光が反射されるし、夜中の冷たい空気が部屋の中にあるので、そこまで暑くならないの。夕方には空気を少し入れ替えるといいけどね」と教えてくれたのだが、その土地に住む人は、エアコンなんてものなくても生きて行く方法をいろいろ知っているものである。

奈良の夏も暑いものだが、研究室でも自分のいる部屋は最上階にあるので、窓とドアを全部開けると昼間はとてもいい風が吹いてくるので気持ちいい。@underspecified さんが先週奈良に来たとき「エアコンを使わないなんて信じられない」と言っていたが、実際風が入ってくる助教室に来て「悪くないね、悪くない」と繰り返していたように、本当に悪くないのである。

そもそも、今年の3月に情報棟の上から下まで全部エアコンを入れ替えたのだが、入れ替えてからというものやたら設定温度が寒く、28度より高い温度に設定できないので、エアコンを入れると(特に冷気の噴出口の近くの自分の席では)ありえないくらい寒くなるのである。サーバ室じゃないんだし、こればかりはなんとかしてほしいものだが、仕方ないのだろうか。学生室は広くて風が行き渡らないのでエアコン頼りになるのは仕方ないが、いつ入っても寒すぎる気がする。あれは長時間いると筋肉(関節)痛になると思う(女性なら膀胱炎とか月経不順)。

とはいえ欠点があって、夜6時を過ぎて暗くなると、明かりに誘われて蛾などありとあらゆる虫が入ってきてしまうので、以前は気にせず窓を開けていたのだが、あまりに入ってきすぎるので最近は夜になって電気をつけたら窓を閉めてエアコンをかけることにしている。網戸があればいいのだけど、そういえば大学の部屋で網戸がついている部屋はあまり見たことがない。

両親に感謝することといえば、エアコンなしでも日本の夏を乗り切れるように育ててくれたことかなぁ。基本的にエアコンは資源の無駄だと思っているので、夜はさっさと寝たほうがいい、ということなのだろうが……。