護美箱

中学生のころ自分はなにも言われなくても毎日毎授業の前に黒板を全部消してきれいにしていた。なぜかというとその当時もすでに目が悪かったので黒板が汚いと読めなかったのと、だいたいいつも一番前の席に坐るので、チョークの粉を落としていない黒板消しで消されると粉が飛び散るのが嫌だったからである。

黒板の消し方にもいろいろあり、どのように消すといちばんきれいに消えるかとか、粉を飛散させないで済むとか、水を効果的に使う(水を使うとものすごくきれいになるのだが、黒板に水分が残っている状態で書くと、乾いたときチョークで書いたものが消えなくなるので、放課後にやるかぞうきんでから拭きするかしないといけない)とか、いろいろノウハウもあっておもしろかった。代ゼミに入ったときは業者の人が毎回授業の前に黒板を消していたが、だいたい自分がやっていた方法と同じだったので、まあ間違っていなかったのだろうと思う。

しかしながら中学3年になるとなぜか「黒板消し係(日直)」なるものが設定され、毎日だったか毎週だったか忘れたが教室の座席の列ごとに持ち回りになったので、それまで言われないでも消していた自分はむかついて自分で消すのを辞めてしまった。好きなことでも強制されるとやる気をなくすのは昔から変わっていない。自分の使う環境くらい自分できれいにするものだし、そんなの強制されることでもない。

つまり言いたいのは「美化係はゴミ捨て係じゃねーっつーの」ってことだ。