最近
- 作者: 羽生善治
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2005/07/01
- メディア: 新書
- 購入: 44人 クリック: 297回
- この商品を含むブログ (562件) を見る
という本と
- 作者: 谷川浩司
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2000/12/01
- メディア: 新書
- 購入: 4人 クリック: 64回
- この商品を含むブログ (78件) を見る
という本を続けて読んだ。2人とも同じようなことを違う語り口で言うからおもしろい。昔から谷川浩司の文章は好きで谷川浩司全集というものまで買って読んでいた(将棋の棋譜の間に自戦記が書いてある)のだが、久しぶりに読んで中学高校時代のわくわくする感じが甦ってきた。
思えば自分はなにかを身につけるときの方法論は将棋と語学を通じて学んできたのだが、それをすっかり大学に入って忘れてしまっていたことに気がついた。中学受験もしたが、なんとなく受かっただけで、こういうふうに勉強すれば成績がよくなるといったものは意識しなかったし、自分でどのように勉強すれば強くなる、語学が分かるようになる、といった試行錯誤を繰り返していったのは中学に入ってからである。
どうすれば強くなる、といったことは将棋で身につけたのに、なんで大学入ってから忘れちゃったんだろう、と少し後悔するところもあったのだが、将棋との対比に気がついて、いま自分のプログラミングは将棋でいえば5級くらいのところだよな、と思ってものすごく気が楽になった。もうオープンソースソフトウェア活動に入って活躍している人と会ったり、NAIST に入ってからもプログラミングできる人いっぱいいるし、自分はなんでこんなにできないんだろう、早くできるようになりたい、と毎日思っていたのだが、そもそもプロ棋士がアマの人を見下したり、4段の人が5級の子どもを馬鹿にしたりすることなんてないんだし、誰だって最初はできないんだから楽しんでやってればいいんじゃないの、というふうに考えるようになった。ここから先はどうすればできるようになるかは分かっているので、それを繰り返していけばいいのだな。図らずも自分で SICP 勉強会とか言って始めてみんなに付き合ってもらっているしね。将棋のときは最終的に高校3年のときに辞めて超えられなかった壁があるので、プログラミングか自然言語処理か分からないが、あのときの壁は越えたいなあ。
F 原に会ったから脳が中学高校生モードになっているのかもしれないが、昔の自分といまの自分がつながってきて、おおげさかもしれないけど、生きていてよかったなあ、と思ったりもした。
いろいろ思って書きたいことはあるが中途半端に書くのもなんなので、興味を持った人は谷川のほうの本を読むとよいかも。将棋あまり知らない人も楽しめると思う。どっちも角川 one テーマ21という名前の新書で、1,2時間もあれば読めるので、将棋知っている人は羽生の本も合わせて読むとおもしろいと思う。