世の中は音を立てずに変わってく

昨日有給休暇を取った関係で、午前4時に起きて2時間ほど学生の学振の申請書にコメントを入れたり(2件)。昨年度から都立大で文科省のフェローシップ制度がスタートし、学振に採択されなくても学振と同程度の経済支援の受けられる可能性が大幅に上がったこともあり、今年はみんな学振の申請書を書いていて、嬉しい悲鳴である。まあ、DC1 に書いて出すのはとてもいい経験になると思っている(向き不向きはあるだろうが、ボトムアップに研究するのではなく、トップダウンに研究するというやり方を意識することができるので、採用不採用によらず、博士後期課程に進学する人は一度挑戦してみるといい)。

午前中から午後にかけては研究室の学生の近況報告を聞く。進捗報告ではなく近況報告なので、色々久しぶりに聞くことができた。もう少し研究室のカジュアル具合を上げたいのだが、オンラインだとなかなか難しい。

昼休みの時間は NLP コロキウムで漫画翻訳の Mantra のお話を聞いたりする。技術的にも研究的にもおもしろいし、素晴らしいなと思う。東大のすごいところは、研究だけでなくこういうスタートアップを立ち上げる人が最近はたくさんいるところで、20年前は「アメリカだと最も優秀な層は PhD を取ったあと起業するかスタートアップに参加し、次に優秀な層は企業の研究所に就職し、次に優秀な層は大学でポスドクをし、次に優秀な層は企業で開発するみたいな感じだが、日本では起業する人やスタートアップに行く層がいない」みたいな感じだったのが、今は東大もそういう雰囲気になりつつある。大学院から、あるいは学部から海外に行く人も増えてきているようで、変わらない変わらないと思っている間に世の中は少しずつ変わっているのである。あとはもっと色々なキャリアが(在学中から)見えるといいと思っている。

夕方は理研 AIP セミナーを聞いたりしつつ、研究室についての相談をしたりする。今年度は色々ここから数年間のことを仕込める期間なので、いくつか考えていきたい。