4年間かけて学部が入れ替わる

午前中は B3 の進捗報告。もう来週が投稿〆切なので、目の前で PDF にコメントを入れたりする。研究室では Overleaf を使ってブラウザで書いている勢と、エディタ等(Sublime Text, VSCode, TeXShop)で書いている勢がいるようで、Overleaf は複数人の作業では便利なのだけど、〆切直前になると落ちることがあり、個人的にはあまり信用していない(あと、Vim バインディングの再現性が微妙なのもマイナスポイント)。

お昼休みには学生の推薦書を書く。今年うちの研究室を希望している、という学生の話を何人かから聞いているので、今年も研究室配属でドラマがあるのかもしれない。うちのコースでは12月~1月までで3回の研究室公開を開催することになっていて、以前は毎年10人以上(特に初回は人が多い)来てくれて、最初は「こんなにみんな来てくれるのか~」とホクホクしていたのだが、見学する人でもほとんどの人は研究室に来ないし、研究室見学期間の最初の方に設定すると「うちの研究室は特に希望しないけど、とりあえずいくつか見たい」という人が多いことが分かり、去年か一昨年くらいからは年明けに研究室公開を設定している(実は貴家研がいつも結構後ろの時期に開催していて、どうしてだろうと思っていた)。もちろん、自分の研究室に来ない人に対しても研究室公開する意義はあるのだが、いまの学生は全員自分の授業を受けている代なので、わざわざやらなくてもいいかなと……(着任してから数年は、自分の担当する授業が少なかったために、授業をあまり受けていない学生が多かったのも、研究室公開に人が多かった理由の一つだと思う)。

昨年度は研究室見学に来てくれた人が割合配属希望を出してくれたようだし、今年もそれを踏襲して、見学に来る人はだいたいうちの研究室志望、みたいな感じにしたい。このあたり、以前も書いた「生産性」という本の影響があり、倍率が高いことが昔は意味があることのように思えていたが、実はそうではなくて、倍率は重要ではなく、研究室のカラーやポリシー等を理解して、来てほしい人にぴったり入ってきてもらうことが最重要であると考えているのである。

午後は学生実験の出席を取るお仕事。助教の方々の負荷が今年は特に高いので、できるだけ負荷を下げてあげたいので、人手が足りない時期はこうやってサポートに入っている。学生からは、研究室配属でどういう研究室に行ったらいいかとか、大学院入試を考えるとどう過ごしたらいいかとか、そういう質問を受けたのだが、言えるのは「筆記試験免除が取れる成績ならどの研究室でもいいので好きな研究室に行けばいいし、筆記試験免除が取れない成績なら院試浪人(留年)する可能性があるので、他大学も検討をしておくか、就職活動もした方がいいのでは」という話をする。現在の3年生(情報通信システムコース)について、配属される研究室は大学院では情報科学域と電子情報システム工学域という2つの組織にまたがっていて、筆記試験免除の取れる学生であれば特に関係ないのだが、取れない場合は一般選抜を受けて入学することになり、一般選抜の難易度は学域によって大きな差があるのである(配属先の研究室がどちらの所属なのかでかなり明暗が分かれる)。そんなことを考えて研究室を選ばないといけないというのは、あまり嬉しくないのであるが……。まあ、これは学部と大学院の組織が違う(学部は4年かけないと新しくならないので、2年で入れ替わる大学院の方が先に組織が新しくなる)過渡期だけの話で今年が最後であり、来年以降の学生にはこの問題は存在しないのであるが。

夕方はもう一つの国際会議の投稿原稿の添削。こちらもほぼ収束しているので、あとは仕上げを待つばかり。