土曜日が休みの日だと落とし穴

土曜日だが学部の多様な入試(AO・推薦入試)の面接のために出勤。実は土曜日だから土曜保育をお願いするつもりでいたら、勤労感謝の日で祝日なので土曜保育をやっていないと言われ(前の週の金曜日までに届け出ないといけないが、届け出た段階で発覚)、急遽首都大 KIDS(大学の一時保育)に問い合わせたら、校務に伴う日なので開けてくれると言われたのだが、なんとか実家で見てくれる(教会のクリスマス会なので、連れて行ってくれる)ことになって、事なきを得た。完全に注意不足ではあるが、土曜日が祝日だと保育園がやっていないのは、トラップだと思う。

午前中は来年度から研究生で来る予定の留学生と面談。博士前期課程に進学希望の学生については、研究生をやったからといって入試に合格するかどうかは別問題なので、研究生にする段階で博士前期課程の受験を認めるかどうかくらいの選抜を行なっているのだが、博士後期課程に進学希望の学生については、修士号をすでに持っていて(あるいは取得予定で)、研究生を半年~1年やるつもりであれば、割と普通に受け入れている(最近は、分野外から来る人で、研究生を経由しないで来たいという人にも、半年は研究生をすることを勧めているが)。これは、博士後期課程の入試はまず落ちないからである(ただし、入学して普通にやっていればほぼ確実に取れる修士号とは違い、入学しても正規の年限以下で博士号が取れる人は1/3以下であり、入り口で絞るか出口で絞るかの違いに過ぎない)。

昼からは多様な入試。システムデザイン学部の情報科学科は、普通の入試に加えて、推薦入試として一般推薦、指定校推薦、特別推薦(都立工業高校等)の3つ、AO 入試としてグローバル人材育成入試の「多様な選抜」をしていて、そのうち面接および口頭試問がこの時期にあるのである(口頭試問があるのは一般推薦のみで、残りは面接だが)。もっとも、うちの学科の「グローバル人材育成入試」はセンター試験の点数を合否判定に使うので、この段階ではまだ合否が決まるものではない。

これまで学部入試委員はしたことがないのだが、コース幹事の仕事等でこれまで4-5回面接・口頭試問に参加した経験からすると、指定校推薦は無難な受験生が多く(体育会系の部活を頑張りました!専門知識はないけど入学後に頑張ります!という人が多い)、一般推薦・グローバル人材育成入試の順に、良くも悪くも多様な学生が増え、必ずしも成績はよくないが口がうまい学生や、あるいは話は微妙だが文章はよく書けているみたいな学生がいる印象(都立工業高校推薦は、数が少なすぎて個人差の方が大きい)。指定校推薦を取ろうと思うとその学校の中の日頃の行いで高く評価される必要があるし、推薦されたら基本的に面接で落とすこともできないので失点が少ない応答をしなさいと指導するだろうから、理解はできるのだが。

あと、指定校推薦だと、トップ進学校だと成績の基準を満たすような学生は東大や京大に受かるので推薦しないし、中堅校だと推薦のための成績の基準を満たすような学生でも一般選抜だったらほぼ確実に受からないのでは、という生徒を推薦することもある、というのも悩ましい。全学的には経済経営学部のように、(高校から推薦されたら落とせない)指定校推薦を減らして(高校から推薦されても落とすことのできる)高校特定型の特別推薦を導入している部局もあるし、学生数の多い大学ならまだしも、学生数の少ないうちの学科は後者の方がいいんじゃないかなぁ(逆に、学生数が少ないからこそ一定数を指定校で固めることで、学科やコースのカラーがドラスティックに変わらないようにしたい、という考え方もあるだろうが)。

情報科学ではもっと積極的にリスクを取りに行く学生に入ってきてほしいので、来年度からは科学オリンピック入試(情報オリンピックの成績優秀者、未踏・未踏ユースの採択者)もスタートするし、どんどん学科内の多様性を上げていけるといいな。