大切なことは時間がかかるもの

午前中はパターン認識機械学習の授業。自然言語処理では feature のことを「素性」と訳す(そして「すじょう」ではなく「そせい」と読む)のだが、他のことは忘れてもこれだけは覚えておいてほしいと思っているので、「ここテストに出すからね〜」と言ってみたりする。実は去年も試験に出したが、「ひらがな3文字で読みを答えよ」という誘導付き(かつ教科書持ち込み可)なので、さすがに間違える人はいなかった。

自分の講義のイメージは予備校で、基本的にはテキストに沿って内容を解説し、授業の1/4くらいは雑談することにしている。というのも、教員のもっとも重要な仕事は学生が自分で勉強したくなるように仕向けることであり、どんな手を使ってでも自発的な行動をモチベートするのが最重要だと思っているからである。その中には、授業の内容と関係ある発展的な内容もあれば、そもそもテキストには書いていない(なかなか書かれない)話をすることもあれば、全然関係ない(教員の人となりが見え隠れする)エピソードを披露することもあったりする。(成功しているかどうかは分からないが)

学部生の授業で何回も繰り返すのは、大学の授業(特に講義)だけで知識が身につくことはないので、自分で手を動かすこと、どんどん外に出ていくこと、の2つで、とにかく大学の授業に出ていればいい、という考えは学部生の早いうちに捨てたほうがいいと思っているので、学部1年生のオリエンテーションでも話すことにしている(そのため、任意参加ではあるが、最近は毎年ちゃんと参加している)。最初の2年間を漫然と過ごすか、それともあれやこれやとチャレンジして(つまりたくさん失敗したりして)過ごすかは、その後の人生に(良くも悪くも)大きな影響を与えると思うので、いろいろ他の人と違う経験をして、どんどん大学に持ち帰ってきてほしい。(首都大のここがダメだよね、という話も教えてほしい。すぐには変えられないかもしれないが、5年10年かければ変えられるので)

昼にはサーバの HDD を交換する。なんか最近よく RAID が壊れる……。

午後は機械翻訳勉強会。進捗報告を聞くが、実験の一つ一つに時間がかかり、つらみがある。最初は小さなデータでやっていくしかないが、大きなデータにすると結果がそこまで大きくないことが多い(汗)