書類とは切っても切れぬ委員長

研究室メンバーはみんな COLING 参加でいないので、平穏に過ごせるはずなのだが、この時にやろうと思っていた仕事がたくさん詰まっているので細切れの時間でひたすら迎撃する必要あり。

午前中は昨日に引き続き教職関係の書類を作成したり。研究大学の教員が教職制度を維持する手間を考えると、文科省の思惑としては教育大学でないと教職課程が維持できないような制度にしようとしているのかな、という気がする(確かに、研究大学では教職を持っていても高校教員になる人は少ないだろうし、現在の制度では教員になるつもりのない人が教職の免許を維持できる制度になっていない)。教育大学の価値を上げるという意味では有効だろうが、研究大学に入学して来る優秀な学生が教員にならなくなるというデメリットもあるので、なんとも言えない(もっとも、研究者として優秀な学生が教育者としても優秀かというとそうでもないと思うので、この方針が妥当なのかもしれない)。

午後は首都大のワーク・ライフ・バランス実現のための研究支援制度の報告書作成。娘が生まれる前の半期からこの制度を利用させてもらっているが、TA/RA や臨時職員の雇用の費用負担をしてくれて、とても助かっている(現在は半期で50万円が上限であるが、それでも1年で100万円出してくれるのは、かなりありがたい)。通算6期までしか利用できないようなので、実は今学期は申請を控えていたのだが、来学期は改めて申請する予定である(前期に TA をたくさんお願いするし、前期は使える予算が限られているので RA を出せる予算があると助かる)。

この制度を通じて、男女共同参画社会といっても、女性の支援をするのは結局女性が家事・育児をする前提で支援するということで、結局女性が働くための支援には、男性の家事・育児への参加を支援しないといけない(それ以外の仕事は適宜減免あるいは時間の調整をする必要がある)のでは、ということがよく分かったのが、とても勉強になった。もっとも、男性教員の研究や教育の支援をしたところで、家事・育児を男性がやっているかどうかというのはチェックが難しいので、支援だけ受けておいて家事・育児は女性側に丸投げしてワーカホリック、という可能性もあるし、これくらいの支援が育児中は恒常的にあるのが良いのでは、という気がする。

これ、子どもの数によらず6期使うと申請できなくなるのはどうかと思っていて、子ども1人につき6期まで申請できるようにしてほしい、と昨年から3期続けてフィードバックしているのだけど、制度を変えてくれる様子がない。優先順位を同じにしてほしいわけではなく、優先順位は初めての人より下げてもらって構わないのだけど、そもそも申請自体できないのではなく申請はできるようにしてほしいなぁ(申請者が少なくて、回せる場合もあるだろうし)、難しいのかなぁ。

その傍ら、RA の申請書を書いたりする。RA は研究業績などもチェックされ、非常勤の研究員として教授会でも審議されるし、アルバイトの謝金とはかなり性格が違うのである(予算の出どころもチェックされる)。NAIST に学生としていたときは、まるで空気のように書類が用意されていたのだが、こういうのを教職員の方々が準備してくださっていたのだなと思うと、今更ながらありがたい環境だったなと思う。

午後は教授会 x2 で、14時半から18時まで。大学院教授会ではまた自分が(大学院教務委員長として)半分以上何か説明する案件があったし、ちょっと文言の修正があっただけで報告事項として上がってきたりするのはなんとかならないものだろうか……。