採録の通知が来るとほっとする

午前中、共同研究のミーティング。The 2nd Workshok on Noisy User-generated Text というワークショップに以下の論文を投稿していて、日本時間的には昨日の15:59までに採択通知が来ると思ってここにミーティングを設定していたのだが、朝になっても来ていなくてどうしようと思っていたら、ミーティングの最中に採択通知とコメントが到着したので、コメントを見ながら対応を協議。

  • Yasunobu Asakura, Masatsugu Hangyo, Mamoru Komachi. Disaster Analysis using User-Generated Weather Report. W-NUT 2016.

この研究、元々は言語処理学会年次大会の原稿をベースに short paper 相当の長さで英語にして(ページの都合で実験を削ったりして)別の会議に投稿して不採択だったのだが、査読で教えてもらった先行研究(サーベイ漏れていた)を入れてしっかり比較し、future work と書いていたデモも作成してスクリーンショットも入れたり、同じく future work としていた実験の結果も入れたりと、最初の投稿から数ヶ月のうちに(就職活動と並行して大変だったろうけど)着々と中身が改善されていってフルペーパーになったので、ワークショップの原稿とはいえ、とても思い入れのある研究。

逆に研究としてあまり嬉しくないのは、最初に投稿した段階でモチベーションが失われてしまうケース。査読結果が分かるまでの間も特に研究が進まず、査読結果をもらっても単にランクを下げて他の会議・ワークショップに投稿する、という展開になりがちなのである。せっかくやったことだから発表しておいたほうがいい、と思う反面、内容をよくしようと思ってコメントをくれている査読者に申し訳ない気がする。埋もれるよりは(英語で)発表しておいたほうがいいとは思うが……。

あと、国際会議に投稿するより論文誌に投稿する方が、出張しなくていいので育児中のライフスタイルに合っているのだが、学生の身分からすると論文誌より国際会議のほうが海外旅行できたりして発表経験にもなるので、学生中心で考えるとどうしても国際会議投稿がメインになる。妥協点として、国際会議に採録されても自分は必ずしも行かない(博士後期課程の学生に引率を頼んだり)し、行くとしてもアジア圏(ギリギリでアメリカ西海岸)、という運用にしているのだが、就職する学生だと就職したら本人が発表できなくなったりするので、在学中にけりをつけることができなかったらほぼお蔵入りになってしまう、という問題点があり、悩ましい。

午後は機械翻訳勉強会の進捗報告。研究がちょうど試行錯誤の段階の人が多く、いろいろ進捗があって(作戦を練ったりできて)おもしろい。これまで、「これ難しいと思うけど、できたらとてもおもしろい研究になるよ」と言うとほとんどの学生がやるのを止めるのを不思議に思っていたが、たぶん前段の「難しいと思う」というのを伝えるのがよくなくて、後段だけ伝えればいいのだと思った。これ、「大学教授という仕事」にも書いてあったと思うのだが、ついプロジェクトマネージャよろしく問題の難しさの見積もりを口にしてしまい、小ネタ中心になりがちなのであった。

これまでの自分の研究スタイルとして、論文を通すにはこれをやらないとダメ、というのを順に潰していってクオリティを上げていくのが自分の得意な戦略ではあるのだけど、どちらかというと苦手な戦略である研究ネタを育てて花を開かせる、というのもやっていきたい。

夕方は保育園の保育者・保護者会。最近ベテラン保育者が相次いで不測の事態で勤務できなくなっていて、いろいろと大変そう。あと2-3年もしたら、いまの若手保育者がベテランになると思うのだが、ここの数年は親がサポートできたらいいのだろうなと思ったりする。遠足の日に保育参加したりできるといいな(毎月第4金曜日なので、タイミングが合わないと参加できないけど)。