論文を書くハードルを低くする

朝から国際会議のカメラレディの添削。カメラレディ〆切前後の週末に学生が不在にするというので、少し早めに添削しないといけないのである。まあ、〆切前後に全員集中すると大変なので、こういう時差があるのはかえってありがたい。

昼過ぎ、娘と近所の公園に行く。ブランコが好きで、「いっしょにのろうよ」と言うので2人で乗ったり、1人で乗せてみたり。娘は楽しそうでケラケラと笑いすぎて、隣の家族が三度見するレベル。いったいブランコのどこがそんなにおもしろいのか分からないが、楽しそうでなにより。

思えば保育園で最近子どもたちと過ごすようになって、少し抱っこしたりするだけでも子どもたちがものすごく喜んでくれて、遊ぶのってこんなに楽しかったんだな、と38歳にして改めて気付かされる。小学校に入るまでの自分のアルバムを見ると、自分はものすごく楽しそうだし、確かに楽しかった記憶があるのだが、小学校に入ってからあとは中学に入るまで楽しいと思った記憶の方が少ない(中学に入ってからも、つまらなくはなかったが特に楽しいわけでもなく、次に楽しいと思うことが多かったのは予備校時代と大学院時代以降)のである。願わくば、この子たちの幸せがずっと続くことを。

夕方は娘が運良く寝てくれたので、国際会議のカメラレディの添削 x 2。こちらはまだプログラムが出ていないので、口頭発表なのかポスター発表なのか分からないが、今年度に開催される国際会議の投稿シーズンは全部終了し、昨年度と比較すると査読付き国際会議の本数が4本から6本へと1.5倍になり(昨年度も @moguranosenshi くんの発表は首都大に来てからのものではないので、そういう意味では3本から6本へと倍増)、少しずつ厚みが増してきている。

いわゆるトップカンファレンスに通った研究は去年と同程度だが、まずは質より量、量こそ質、というのが自分のモットーなので、査読付き国際会議に投稿するのが当たり前、という環境を整えたい(先輩が採録されるなら自分も全然余裕じゃん、みたいに思ってもらい、チャレンジの心理的ハードルを下げたい)。定常状態では大体研究室メンバーの2/3程度(新入生以外)が年に1本査読付き国際会議に採択されると思うので、ひとまずの目標は年10本である(自分の予想では、再来年に達成される見込み)。

ちなみに、研究室1年目は0本、2年目も0本(査読なし国際会議は2本)だったので、何事も成果が出るまで3年間はかかるものだなと思う。研究室運営を任期5年でやれ、というのは無茶ぶりだと思うが、幸い准教授のまま任期なしになったので、特にプレッシャーがある訳でもなく、ぼちぼちやらせてもらっている。育児中で〆切前に残業したりも特にしないのは論文の採択率を下げているとは思うが、論文執筆以外の仕事に論文執筆を優先させる道理がないので、論文執筆の時間を増やすときは勉強会など研究関係の時間を減らしており、研究に使う時間を一定にした上で調整している。

なので、これ以上論文執筆の時間を増やすためには、添削の時間を減らすか勉強会の時間を減らすしかなく、前者は大学院から来る学生は原則博士後期課程に進学してもらうことで対策し(最初の投稿のときの添削は時間がかかるが、2回目以降はどんどん時間がかからなくなるので、研究室に長くいる人が増えれば相対的に楽になる)、後者はそのようにアナウンスすることによって大学院から来る学生数を減らすことで対策している(学生数を維持したまま、毎週の進捗報告を隔週にしたり、あるいは時間を1人30分から20分にしたりすることも考えられるが、たぶん自分のやりたい研究・教育スタイルと違う)。

もちろん「自然言語処理の勉強がしたい」という人も受け入れたいのは山々だが、現在の教員(数)ではどう考えても無理なので、大学院から自然言語処理を勉強したい(博士後期課程に進学して研究したいという訳ではない)人は、指導できる教員(数)に余力のある他大学に進学してほしいと願っている(そういう研究室が国内にない訳ではなく、お勧めできる研究室はたくさんあるので)。