COLING が10年ぶりにやってくる

始発で東京を出て大阪へ。自然言語処理のメジャー国際会議の COLING が今年は大阪で開催されるのである。自然言語処理のメジャー国際会議が日本で開催されるのは ACL 2003 以来だと思うので、日本の人もかなり関わっている。COLING 1994 が京都開催だったと思うが、このあたりの知見もほとんど失われているのではなかろうか?(NAISTができたてでワークショップを奈良で開催した、という話を松本先生から伺ったことがあるが)

スポンサーが(日本の学会である言語処理学会年次大会にはたくさんつくのに)少ないと気になっていたが、最終的には結構集まったようで、ホッとする(しかし国際会議のパンフレットに1ページ日本語で広告を出す企業が何社もあるというのは、いかがなものかと思うが)。

感染性胃腸炎から回復してはいるものの、本調子ではないので抑え気味に。症状が治まっても周囲の人を感染させる恐れがあるので、あまり人混みに行かない方がいいのである……。

今日は一日 Workshop on Noisy User-Generated Text というワークショップに参加。M2 の学生の発表があったので、最初は間に合わないでも発表には間に合うように行きたかったのである。発表は口頭発表のみで、質疑があるとは聞いていなかったが、始まってみるとどうも質疑もあるようで、急遽自分が代わりに回答したりする(QAがあると聞いていたら、QAの練習もしてもらっておいたのだが)。間に合う時間の発表でよかった。

  • Yasunobu Asakura, Masatsugu Hangyo (Weathernews) and Mamoru Komachi. Disaster Analysis using User-Generated Weather Report. In Proceedings of The 2nd Workshop on Noisy User-generated Text, pp.83-91. Osaka, Japan, December 2016. (oral)

お昼休みやポスターの最中に何人かの人と喋るが、やはり COLING クラスのメジャー国際会議だと、そこそこ世界各国から人が来てくれるので、色んな人と喋れて嬉しい。今回は研究室の学生は全員参加(旅費は研究室から支給)なので、世界レベルの国際会議の肌感覚を知ってもらえるといいかなと思っている。

夕方は早めに帰宅して国際会議の原稿の添削。日本語の原稿は今年からまずお互いにチェックしてもらう方式に変更したのだが、国際会議の原稿は直接自分のところに来るので、人によってクオリティの差が激しい。英語力の問題ではなく、日頃どれくらい英語の論文を読んでいるか、ということが英語で論文を書くクオリティに直結していることがこれまでに判明しているのだが、裏を返すと英語の論文をほとんど読まない人が書く英文を添削するのには多大な労力がかかるし、それだけ労力をかけても本人の得るところはあまりない、という win-win どころか no win situation だったりするので、これを来年はなんとかしたい。とりあえず、研究室のメンバー全員とも、英語の論文をしっかり読んでほしい(そういえば、今年は半年間日本語で論文を読んだことがない、という学生がいて、正しい研究室になってきた、と思ったりした)。