合宿で夜遅くまで議論する

今日は法政大の三浦研究室との合同研究会である。これまで、研究室ができて1年目は東京農工大の小谷研究室(現在は定年退職されて消滅)、2年目は NLP 若手の会シンポジウム(自分が委員長だったので、合宿形式にして全員参加)、と毎年やり方を変えている。3年目の今年はどうしようかと考えていたところ、三浦先生からお誘いがあったので、合宿形式の合同研究会にすることにしたのである。

実は三浦先生自身は毎年違う大学(違う分野)の研究室と合同合宿をされているそうで、今回も最初は同じく首都大の石川先生に打診をしたところ都合がつかないということで、そうしたら三浦研究室の M1 の学生さんが、うちの研究室に声をかけてほしい、と三浦先生にお願いしたことで、今回の合宿開催に至る、という経緯だそうだ。

三浦先生のすごいのは、多忙にも関わらず、メールのリスポンスの速さ……。辻井先生や松本先生もそうだが、なんであんなにメールの返事が速いのだろうか?本文は数行だが返事がすぐ返ってくる、というのは、本文は長いが返事の返ってくるのに遅延がある、という自分は見習いたい。

さて、その合同研究室合宿であるが、八王子セミナーハウスという日野キャンパスと南大沢キャンパスの中間に位置する研修施設での開催である(三浦先生があっという間に予約してくださった)。ここは2014年9月の NL 研の開催を検討した場所で、日程が合わなかったかなにかで結局南大沢キャンパスで実施することになったのだが、自分で来るのは初めてである。

合宿が始まると、三浦研はデータマイニングやトピックモデルの話が多いのだが、驚いたのは半数以上が学部生(3年生含む)だということで、3年生に至っては配属されて数ヶ月しか経っていないのに、EMアルゴリズムを実装して実験した結果について話したりしていることである。2012年には NIPS にも通されているし、それ以外に毎年何件も査読付き国際会議に通されているのもすごいと思ったが、できる学生には学部のうちから英語で論文を書かせているらしいし、他の研究室に配属になっている学生も受け入れているらしいし、パワフルさが尋常でない。

翻って、うちの研究室の学生は、実験の報告ができる学生は一部で(学部生が一番実験が進んでいる……)、ほとんどの学生は研究テーマの説明とサーベイ報告で、自然言語処理専門でない人にはちょっと退屈かな?と心配したが、あとで法政の人たちに聞いたら「しっかりサーベイしていてすごいと思いました」と複数人が言っていたので、どこが参考になるかは分からないものである。少し違うバックグラウンドの人たちと交流するのは有意義なものであると思った。

あと、三浦先生のコメントも鋭くて、なるほどなぁと思うことがしばしば(帰ってきてから、あのコメントはこういう意味で、こういうことを考えないといけない、ということを学生に説明したりしている)。NAIST にいたときよく考えていたが、自分の専門外の分野でも、同じ情報科学の研究であれば、本質的なコメントができる、というのが教授の役割なのではないかと再確認した。

夕食を挟んで初日の研究発表が終わったのは12時過ぎ。そこから懇親会が午前1時過ぎまであり、いやはやボリューム満点の研究会であった。懇親会以外に遊び要素がない合宿であるが(100%研究から100%遊びまで、研究室の合宿はいろいろなパターンがある)、こういうのもいいなと思った。

ちなみに夕食のときの名札、「首都大学」「東京」で切れているので、もしかすると「首都大学東京」が1語だと認識されていない予感……。