研究も単位取得もがんばって

朝 BS で「あまちゃん」の再放送と「まれ」を見ているのだが、東京に来てすぐのころ、「あまちゃん」を見るためにがんばって起きていたのを思い出す。

あまちゃん」を見てから家を出ると、ちょうど通勤ラッシュが終わったころで快適に通勤できる、というのを発見するまでがつらかった(9時前に大学に着くように家を出ようとすると、都心から郊外方向の電車にもかかわらずぎゅうぎゅう詰めなのである)。今は娘が7時前後に起きるので、娘にご飯を作ったり食べさせたり、洗い物や洗濯したりしながらだが、こんな時間に起きて家事・育児をしている姿は全く想像できなかったな……。

午前中は研究室で研究のブレインストーミング。といっても、昨年度までの研究プロジェクトと今年度からの研究プロジェクトについてざっと紹介するだけで、ほとんど時間切れ。10人くらいだと議論しやすいが、20人いると見渡すのも難しい。Google Docs でファイルを共有し、全員が同時に閲覧・編集することで効率化はできるのだが、意見を出して話し合おうと思ったら、スタンドアップ・ミーティングのように立ったままミーティングするような形式の方がいいのかも?

お昼に今後の研究的な相談を受ける。修士論文に関する対外発表があること、というのが修士論文の審査願の提出要件であることは周知されているが、研究テーマを変えたらどうなるか、というお話。指導教員のポリシー次第だと思うが、自分は割と柔軟に考えていて、修士論文の1章として入れられるのであれば問題ない(そこまで密接に関係していないテーマでも、なんとか1本の修論にできるなら、入れてしまってよい)と思う。逆に言うと、たとえば研究室を途中で変更し、完全に研究分野が変わっていて、修士論文としてまとめようがないような場合は、関連する業績にカウントされない(もちろん、在学中に挙げた業績としてはカウントしてよい)。これは、自分の指導教員であった松本先生と同じ方針である。

とはいえ、自分自身は実は修士のときはメインの研究テーマとして述語項構造解析を、サブの研究テーマとして統計的機械翻訳をしていて、初めての国際会議はむしろサブテーマの統計的機械翻訳について M2 で発表したものになるのだが、修士論文には(まとめることは可能ではあったが)結局入れず、関連研究としても挙げなかった。博士論文に関しても同様で、博士論文の研究テーマは修士までのメインの研究とは別で、サブの研究とも別で、結局修士のときの研究は博士論文には1行たりとも入っていない。

ただ、仕事に関してお声がけいただいたのは、サブでやっていた研究テーマのほうが圧倒的に多かったりするし、それで新しい研究テーマに巡り合えることもあるので、複数の研究テーマを手がけるというのは、余力があれば積極的にやればいいと思う。(余力があるかどうか判断するのが難しいのではあるが)

お昼は研究室の勉強会の情報を新年度に更新する。昨年度より見かけの勉強会の回数は増えているが、1コマが2時間から1.5時間になっているので、新入生が出席必須の勉強会の時間はむしろ減少している(週当たり原則参加が16時間、任意が4時間の最大20時間→原則参加13.5時間、任意7.5時間の最大21時間)。あまり勉強会が多すぎても大変なので、原則参加の時間を減らして任意の時間を増やした。(ちなみに、2年目以降の人の原則参加の勉強会は週9時間)

研究室の1年目も、学生の負担が多いと大変だろうと思って基礎勉強会を少なくして失敗(卒論が言語処理学会年次大会で発表できるようなクオリティにならなかった)したのは苦い経験で、2年目はそれを踏まえて基礎勉強会を大幅に増やすことで成功したと思うのだが、外部から修士1年に入学してくる学生は授業と勉強会の両方で大変で研究する余裕がなく、B4の学生は4人全員論文を書いて発表できたのに、M1の学生の3人は誰も発表できなかった(M2 の 7月の NL 研でかろうじて発表できるかどうか?)のが反省点であった。今年度はこれを改善し、外部から進学してきた M1 の人でも言語処理学会で発表する、というのを目標に(基礎)勉強会を設計してみた。

結局問題は夏休みの時期で、この時期にぼちぼち研究を進める必要があるのだが(長期間帰省したりすると……)、松本研のように、ちゃんと9月の合宿で成果報告をする(ので当然ながら数週間は研究する)、というような仕組みを作っておかないといけないように思った。

午後はコース会議。毎年最初のコース会議は拡大コース会議と称し、助教の人たちも参加。聞くだけ出てもどうか、と思ったが、助教から准教授に昇任したとき、一度でもコース会議に出ていれば議事録の作成や手続きも分かるので、そういう意味はあるのかな、と思った。自分はそういうのを経ずに入ってきて、突然コース幹事で議事録を作ったり部屋を予約したりせねばならず、夏休みくらいまでは正直相当つらかったのである(コース幹事をやることで確かにとても勉強にはなったが、それを差し引いても、着任直後の教員には幹事をやらせるべきではないと思う)。

夕方は、M1 に配布したほぼ新品の MacBook Air に、クリーンインストールしてもなぜか AppStore につながらず、OS の更新もソフトのインストールもできない、という不具合があるそうで、トラブルシュートのために駆けつける。

クリーンインストールしても AppStore につながらないなんてことがあるのか、にわかに信じがたかったのだが、調べてみると、確かにその通り。新しいユーザを作ってもダメ。ストアの設定が日本以外の国になっているのかと(USキーボードなので)思ったが、そういう問題でもない。

うーん、と思ったが、何か嫌な予感がして時間設定を見ると、時刻は午後16時20分を正しく指しているのに、期日が2014年1月3日になっている。Mac は NTP を使ってネットワーク経由で時刻を合わせる機能があるのだが、首都大のネットワークの設定では、外部の NTP サーバに接続できないので(日野キャンパスはこんなに厳しいのに……)、大幅に過去の時間になっていて、これが AppStore につながらない原因のようである。正しい時間に手動で設定するとあっさり解決。分かりづらすぎる……。

クリーンインストールしているのにうまくいかない、というのは、500マイル以上離れたところにメールが送れないのだがという記事を思い出す。そういうことはありえない、と思うのだが、原因が分かると、なるほど、という感じである。このケースも、telnet でサーバにつないで出てきた出力を見て「あれ?」という違和感を感じたのがきっかけで原因が判明したのだが、システム管理の経験が長いと、こういう勘が働いて、一見普通に見えるところでも気がつくのかなと思う。

ともあれ、直ってよかった……。