キューを出す時期を間違えない

今日は娘の起きる時間が早く、午前1時に起こされてしまった。

そのまま2時からコース幹事としてのお仕事で、情報通信コースの英語版ウェブページの作成。なにやらコースのウェブサイトがないのが問題視されているようで、学部長から強く要請があり、6月末までに立ち上げないといけなかったのだ(7月3日がコース長会議なので、ちょっとマージンがあると思い、2日遅れで取り組んでいるが)。

それぞれの教員の方々から、昨年度の外部発表一覧の翻訳をお願いしたり、英語のページを持っている方はそれを教えていただいたり、取りまとめるだけで一苦労。ちなみに教員22人中、英語のページを持っているのは把握している限り自分を入れて4人だった。

大学で公開する英語のページというのは、一番の対象者は博士後期課程の受験希望者だと思われるのだが、そもそも博士後期課程の入学者が非常に少ない現状で、作る意味があるのか疑問である。もっとも、数少ない博士後期課程の学生の大半は留学生であるのも事実であり、博士後期課程の学生の確保のために作るべき、というのは正しい。

しかし、その場合、真っ先に用意すべきは研究室のウェブサイト、あるいは教員個人のウェブサイトであって、コース単位で作成する必要があるのだろうか。こういうのは全学単位、あるいはせいぜい学部単位で用意すべきであって、コース単位で(全学でも英語のサイトがあり、学部でも英語のサイトがあるのに)公開しなくていいと思うし、情報の散逸・乱立とメンテナンスの手間を考えると、むしろ公開するべきではなく、少数のサイトに力を集中したほうがいいと思うのだけど。

しかしながら、これは英語版ウェブサイトだけの問題ではなく、日本語版のウェブサイトもない研究室も半分くらいあるし、ウェブサイトがあっても何年も更新がない場合もある(機能しているのは1/5くらいの研究室?)。それでも学生が来るので困っていないのかもしれないが……、とはいえ、学部生は「東京にある国公立大学で、理工系」というだけであまり研究室など調べず受験する人が大半で、学部生の内部進学生を主なターゲットにするなら、現在の姿が最適解なのだろうし、危機感を持った研究室単位で行動するのが適切なのであろう。

WordPress で急造であったが、6時過ぎになんとか完成し、一安心。

午前中は自然言語処理の基礎勉強会(SLP)。前回担当者が欠席のため飛ばしていた3章の残り。編集距離と人間の形態素解析のお話。3年の前期までスタックという概念を習わない、というのに今週は驚いたが、動的計画法やメモ化もやっぱり習わないらしい。昨年度の前期に現在のM1の学年の人たちに聞いて、みんな知らないと言っていたので、再度確認したことになるが……。昨年度はちょっとこれはまずいぞ、と思って学部2年生後期の授業で動的計画法とメモ化は教えることにしたのだが、今年度はリストやスタック、キューも教えておいたほうがよさそうである。

どうやら「データ構造とアルゴリズム」という2年前期配当の授業が問題のようで、教科書は指定されているが授業では教科書の内容をやらないそう。教科書は「アルゴリズムデザイン」という、確かに教科書的にはすばらしいのだが、学生が読まないなら教科書の意味がないのでは……。

アルゴリズムデザイン

アルゴリズムデザイン

自分がこの授業を担当するなら、教科書は「アルゴリズムイントロダクション」かなぁ。
アルゴリズムイントロダクション 第3版 第1巻: 基礎・ソート・データ構造・数学 (世界標準MIT教科書)

アルゴリズムイントロダクション 第3版 第1巻: 基礎・ソート・データ構造・数学 (世界標準MIT教科書)

3分冊のものでも2冊買うと高いので、いまいちお勧めしにくいため、演習の授業では別の本を参考書指定しているのであるが。

昼休みには実験運営委員会。幹事がキュー(合図の意味)を出さないといけなかったのだが、調整を忘れていてギリギリの連絡になって申し訳なかったが、関係する方々は全員お集まりいただけたので、ほっとする。来年に向けて用意することが増えたが、今年度は現行の体制で行けるかな。

13時から Skype ミーティング。必要なミーティングであり、有意義だったのだが、もはや自分は分単位のマネージメントが必要で、お昼ご飯を食べる時間がなくなってしまった。朝は早く出勤できず、夕方は遅くなれないという、過密スケジュールなので仕方ないけど……。

午後は研究会(進捗報告)。B4の学生が、今週も週の時間を可視化してくれて、彼も週20時間勉強会に出て、週20時間勉強会関連の予習や演習に時間を使っているとのことで、後期も含めて最初の1年間でこれくらい研究関係に時間を使えば、だいぶ後が楽だろうと思う。問題は夏以降で、研究の割合が増えるので、研究の割合が増えてもペースが落ちないで継続できるか、というところかな。

あと、ウェブ API によるクローリングやデータのアノテーションに関する進捗報告もある。クローリングは一つ一つは小さなタスクなのだが、細かいノウハウが多いので、知識が共有できたらいいのだけどなぁ、と思ったりする。データのアノテーションもノウハウがある(やみくもにアノテーションしても意味がないし、アノテーションするにしてもちゃんとやっておかないと、あとで困ることになる)のだが、これはつけ始めてくれないと、アドバイスできないし。ただ、ここからが研究なので、とりあえす手を動かしてアノテーションしてもらうしかないな〜。