いろいろ経験したからこそ研究をしたいと思う

午前中はB3の情報理論の授業の2回目。今回も50部用意した資料が足りなくなった。みんな出席しているということかな。昨年度は、最後は30部くらいになっていた気がする。

小テストを実施したところ、今日の配布資料を含めてなんでも見ていいつもりだったのだが、授業アンケートを見たら資料を見ないで解いていた人もいるようで、申し訳ないことをした。終了後「先輩が単位取れたって言ってたのに、難しい!」という声が聞こえたが、単位が取れるということと、内容が簡単であるということは関係ないのでは……。ただ、課題や小テストで手を動かす時間を多くしたいが、内容を難しくしたいわけではないので、テストは計算がもっと簡単なものにしよう。

昼休みの合間を縫って、大学院の修士の筆記試験免除(推薦入試)に関する説明会。首都大の情報通信は学部生が1学年50-60人いて、大学院の定員が35人なので、内部生でも7割くらいの人は進学できる定員があるのだが、学部時代の成績のよい人は筆記試験を免除して入学できる。筆記試験と言っても数学と英語しかないし、英語はTOEICまたはTOEFLのスコア提出なので、受けなくてよいのは数学だけである(英語のスコアを提出しなくてよいのもメリットではあるが、来年の受験生からは筆記試験免除でも英語のスコアは提出させるように変更予定)。

個人的にはもっと外部からうちの大学院に来る人が増えるとよいと思うし、うちから外部の院に行く人も増えてよいと思うので、必ずしも多くの学生を筆記試験免除にする必要はないと考えているのであるが、外部の大学院に学生が流出するのは避けたい研究室もあるだろうし、現状維持かな、とも思う。ちなみに上記の筆記試験免除制度は外部生でも利用可能なので、希望する人は指導希望教員にコンタクトを取ってほしい(研究室あたり何人まで、という上限があるため)。

午後は同じくB3のテクニカルライティングの授業。この時間は完全に I 川先生のソーシャルメディアに関する授業と丸かぶりなので、S 田さんと分担。I 川先生の授業は今年4年生の配当科目になったそうで、1回目の授業は片手で数えられる人数しか受講生がいなかったので急遽自分の研究室の学生に招集をかけたと聞いたのだが、今は増えたのだろうか?来年は、うちの研究室の学生に出席させようかな。

授業の内容が終わったあと、完全な雑談であるが、S 田さんがこれまでのアルバイトの経験やどうやって大学院に進学することになり、最終的に助教になったか、という話を学生にしていて、大変おもしろかった(笑)こういう話が気軽に聞けるのはよい。どのように大学院に、引いては研究に興味を持ってもらうかは、ほぼ全員が大学院に進学するような一部の大学を除けば工学系の学部教育で重要なテーマだと思うが、結局研究そのものに最初から興味を持ってもらう必要はなく、きっかけとしては「この人おもしろそう」みたいなのでいいんじゃないかな。

午後は学内の委員会のお仕事。コース長が変わったが、今年のコース長のF本先生も大変話が通じやすいので、ありがたい。自分もコース長のような回ってきたら、スパスパと仕事をこなしたいものである。

夕方は企業の方々にお越しいただいて、主に新入生に向けて、どのような事業をされていて、どのような課題があるか、というお話をしてもらう。実際にその場でアプリをインストール・サービスに登録してしばらく使ってもらい、それを元に議論する、というのは斬新である。自分も企業でインターンシップをしていたとき、ユーザの生の行動データ(ログ)を見てとても刺激的な体験をすることができたので、学生のみんなもそういう生のデータならではの知見を得られるといいな。

自分は1時間ほどで抜けさせてもらったが、それからB4とM1の新入生たちが5人ほど残ってさらに1時間ほど盛り上がっていろいろと話していたようで、今年の人たちはすごくアクティブだなぁ、と思ったりする(他の先生方によると、年によって学生の雰囲気は変動するらしい)。企業との共同研究などなどは、毎年一つしかないわけではないので、全員が全員今回の研究開発案件にコミットしなくていいと思うのだけど……

ちなみに、だいたい秋口以降にいらっしゃる企業の方々は、既に学生が全員なんらかのアルバイトか共同研究をしていて人手が足りなくなっており、新規の案件をお受けできないことが多いので、何か考えてらっしゃる方は1度夏休み前に打診して下さったほうがいいと思う。(今回お越しくださった方々も、昨年度に一度いらしていて、そのときは興味がありかつ手の空いている学生がいなかったのでお断りし、今回は年度が変わって新入生が入ってきたので、再度いらっしゃったのである。)