研究に必要な基礎体力は研究室で身に付ける

豊田駅から首都大の日野キャンパスに行くバスは実は2系統あり、一つは10分おきに来る平山工業団地循環(大学の公式ページで案内されている)で、もう一つは15分おきに来る八王子駅北口行きなのだが、自分の居室があるのはキャンパスの北側なので、実は八王子駅北口行きに乗る(首都大学東京入口というバス停で降りる)方が歩く距離が短いように思う。まあ、本数が相対的に少ないので、目の前にバスが停まっているのでないかぎり、わざわざ待つのはお勧めではないが……。

昼からNLPセミナー(論文紹介)。今日は

  • Jey Han Lau, Karl Grieser, David Newman, Timothy Baldwin. Automatic Labelling of Topic Models. ACL 2011.

を紹介してもらう。こんな論文があったのかぁ。初見だったので、興味深く読めた。ただ、手法はあまり工夫しておらず、Wikipediaの記事タイトルから抽出する、というものだし、トピックモデルをどのようにしたのか全然書かれていない(恐らく著者らのCOLING 2010の論文)し、トピック名を教師ありランキング学習しているという割には事例数は数十例しかないし、Amazon Mechanical Turk で丁寧に評価しているところが評価されたのだろうか?いろいろやっているかのように見えるが、結局教師なしの共起スコアでランキングするので十分なようにも見える。

夕方は研究室のプリンタの修繕。なんだかドライバの調子が悪いのか、変なジョブが詰まっていたのか、プリンタを何回か再起動したら、動くようになった。怖いな、これ……。卒論提出のときに限って、止まりそうな予感。

学生室に少しずつ作業できる環境を整える。自分の部屋にいると、小さなことを聞きにくいと思い、もう少し滞在時間を増やすねらいである。ただ、滞在時間が長過ぎても学生は息苦しいだろうし、バランスが難しい。毎日5限の時間はこちらに来るとか、決めておけばいいのかな?

いま文学部にいるが、うちの研究室を受けたいという人からの問い合わせを受ける。基本的にはそういう人にはNAISTをお勧めしているのだが、他の研究室のM1の人たちを見ていると、うちの学部を出たからといって、研究に必要な基礎知識がそんなに身についているわけではない、ということが分かってきて、結局研究に関する基礎勉強会は開催しなければならないようなので、人文系の人でも受け入れようか、と決心する(もちろん、入試で理工系の大学1年生程度の微分積分線形代数はクリアしなければならないが)。

結局、プログラミングも、エディタの使い方や Unix コマンドの使い方から教えたほうがいいように思う(使えるようになったら便利系)。来年はプログラミング関係だけで週2-3回勉強会をやったほうがいいかな、と。やる気と能力のある学生に手取り足取り教える必要はないのだが、存在自身を知らないので使わない、という機会損失が少なくないようなのである。一度Wikiかなにかにまとめてけば、2回目以降は「ここを参照して」と言えるようになるし。

しかし、大学院生になると、勉強はともかく研究をする必要があり、どれくらい勉強すれば研究できるようになるのかがよく分からず、これはまだ試行錯誤することになるだろうな……。いまのうちの研究室の学部生で進学する人たちに関してはあまり心配はないのだが、大学院から来る人は未知数なので……。