料理を作ったらお客様に出す前に味見をする

午前中、自宅で電話会議。大学だとネットワークの調子が悪く、つながらないことがよくあるので……。しかし自宅でも雑草の伐採が始まって極めてうるさく、結局こちらからの入力は常時オフにしてトランシーバー状態で話さないといけなくて、これなら大学にいたほうがよかったかもしれない、と思ったりする。首都大の日野キャンパスも新しい建物を年明けくらいから建て始めるようなので (今年の学部の受験生からは新しい建物が使える。大学院の受験生は、新しい建物に研究室がある人は使えるが、自分は既にそこそこ新しい建物に研究室があるので恐らく移転対象ではない)、工事が始まったら電話会議しにくくなるかもな……。

会議は木曜日の昼が〆切の英語学習者の文法誤り訂正タスクの最終確認。研究を始めたばかりの人にありがちなのだが、適当にコードを書いて「これを新しく実装したから効果があるだろう」と思っていても、単にバグを直していてよくなっているケースや、逆にバグを入れ込んでいて (なぜか) よくなっているケースもあったり、また F 値で改善しているように見えても単にトレードオフのバランスがよくなっただけで閾値のチューニング次第で効果があったわけではない、なんてこともよくあるので、実際に簡単なケースで実験し、結果を (最終的なスコアだけではなく) 目で見て確認したほうがよい。

要は「料理をしたらちゃんと味見をしなさい」ということで、高級な食材を使ったからうまいに違いない、と味見をしないでお客様に出すようなことはしないように、というわけである。まあ、家で子どもにご飯を作るとき、わざわざ味見するのは面倒くさいので、目分量で調味料を入れて適当に作って出す、というのは分かるけど。(実際我が家はそうであったのだが……) 開発の世界では "Eat your own dog food." という言葉があるように、作ったら (作りっぱなしにしたり、あるいはスコアだけで判断したりするのではなく)、自分で味見するというプロセスは重要である。

ミーティング後、出勤。今日は休校日だと聞いていたのでみんなあまり来ていないのかと思いきや、休講日なだけで職員の方々も来る普通の日だった。同音異義語、恐るべし。

午後はひたすらメールの返事書き。Lang-8 の学習者コーパスに対する問い合わせがたまたま立て続けに来たので、学習者の母語情報をつけたデータを用意したりする (これまでも内部的には保持していたのだが、整理整頓されていなかった)。NAIST のサーバで作業するときは VPN で接続して作業するのだが、なぜか大学からだと1-2分つながったら切れ、VPN を一度切って再接続しないと ssh で接続できなくなる、という現象に遭遇し、e-mobile を家に置いてきて難儀する。今日中にしておかないと、と思ってかれこれ20回以上再接続を繰り返し、ようやく完了。screen の中で作業しているので、接続が切れても再接続すればよいのだが、キーをタイプしている最中でも平気で切れるので油断ならない。

夕方は来訪者。研究室を案内したりする。「1人に1台 Mac はすごいですね」とのことなのだが、NAIST の環境を知る身としては、情報系の研究室で1人1台計算機は最低限だと思うので、むしろ申し訳ない気が……(松本研では研究科から1台 iMac が支給され、研究室からは1台デスクトップ+21インチ以上のディスプレイあるいはラップトップが支給されていたので、使うかどうかはさておき1人最低2台貸与されていた)。学生1人当たりのスペースは現在のところ NAIST 並みかそれ以上 (現在のところ机15台に対して5人なので1人3台) 使えるのだが、来年度には今年と同じくらいの学生が来るので、すぐに狭くなるだろうしなぁ。(ただ、都心の大学と比べると、数年後研究室の定員 max まで到達したとしても、1人1人の使えるスペースは広いと思う)

夜は雑務の傍ら5月〆切の国際会議の投稿予定原稿へのコメント。1週間前には第1稿をいただいていたのに、書類関係で追われていてお待たせしてしまって申し訳ない。〆切まではまだ2週間以上あるので余裕はあるのだが、自分が毎日コメントを入れられる状況ではないかもしれないので、早め早めに返していかないとなぁ。今回投稿予定は1人だけのようなので、あと今年は EMNLP (7月〆切) かな? 今年の EMNLP は short paper もあるらしい……。