国語研とのご縁を感じる日

もう3月になってしまった。やばい。

統数研のワークショップ国語研のワークショップ が同じ日にあるので、同時に聞けないという問題がある。建物的には隣なので、ちょこちょこ抜け出して聞きに行っている人もいるようだ (自分も含めて)。どちらに行くかが踏み絵のようであったが、自分は国語研:統数研=2:1くらいかな?

国語研のポスターで、色んな方に、4月からの異動のことをご報告する。異動についてご存知の方も多かったようだが、暖かく迎えていただく。このあたりに自然言語処理のバックグラウンドのある人が少しずつ増えてきているようで、もしかすると松本研の OB/OG の人数がもっとも多い地域かもしれない。自分が自然言語処理を知ったのも、(当時は北区にあった) 国語研でひょんなことから (= 大学院の出願期間を1日間違えていて、留年することになって、ぶらぶらしていたときに教えてもらった) 日本語話し言葉コーパスXML 処理のアルバイトをしていたときなのだが、いろいろとご縁を感じるものである。

koiso さんからお祝いの言葉をいただいていて思い出したのだが、そういえば自分が国語研でアルバイトをしていたときは、大学院進学する気になっていて、フィールド言語学をやるか自然言語処理をやるかで迷っていて、国語研の研究員の方々に相談していたのであった。自然言語処理なら NAIST の松本研に行くのが間違いない、とみなさん口を揃えておっしゃっていて、そのときは ChaSen の研究室、というくらいの認識しかなかったので、それならオープンキャンパスに一度行ってみよう、と思って夜行バスを乗り継いで行ったのもいい思い出である。記録によると自分がオープンキャンパスに行った年は6月にオープンキャンパスをやっていたようだ (オープンキャンパスの感想は表からは省かれているが、紙の日記に書いてある)。その翌日伏見稲荷に行っているようだが、その伏見に自分が8年後に住むことになるとは思っていなかったな〜。奈良は研究的にも生活的にもなにもかもとても過ごしやすかったので、名残惜しいものである。薦めてくださった国語研のみなさんに感謝である。

去年伏見桃山に住まいを探しているとき、お世話になったミナージュさんのブログが含蓄深い。今年東京でも部屋探しをしてみて、どこに行っても契約できる物件はほとんど同じである、というのはよく分かった (全部ネットワークでつながっているので、ある意味当然ではあるが)。ただ、不動産屋によって違うのは、どこまで借りたい人の意見を聞いてくれるか、どこまで現地や部屋のことを詳しく知っているか、というところであって、これまでかれこれ10店弱回ったことがあるが、ミナージュさん以上の不動産屋さんには出会ったことがない。

立川で行った不動産屋などは、一応こちらの要望を聞いて部屋をネットで検索して紹介してくれるのだが、「これはどのあたりにあるんですか」と聞いても Google Maps で検索して見せてくれるくらいで、それくらいなら自分で調べた方が早い、と思ったものである。一方、ミナージュさんは桃山御陵前を中心とする紙の地図を持ってらして、賃貸物件を全て蛍光ペンで (ファミリー向けだとかで) 色分けしてマークされていて、このあたりに住みたいならこことここ、というのが一目で分かり、それぞれ空でどういう物件か違いを教えてくれて、写真つきのホームページも見せてくださって、現地を案内してくださるときも、このあたりは XXX が多いので……とか住む人の立場に立ってポジティブなところとネガティブなところ両方教えてくださったので、とても助かった。結局、ある人にとってはネガティブに思える点でも、ある人にとっては気にならない、ということがあって、そういうのがうまくマッチしてポジティブなところがうまく合えば「いい物件に出会えた」と思うのだろうが、ミナージュさんは根気強くそれに付き合ってくださるのであった。

閑話休題。ポスターでは matuyosi さんの話が印象深い。いろいろ考えてらっしゃる。というか、一つの現象をずっとおっかけてらっしゃるのがすごい。自分などは飽きやすいので、3年一つのことを続けていたら奇跡に近いものがある。そういう意味では奈良に8年もいたのは自分でもびっくりなのだが、それくらい奈良の生活はよかったのである。ただ、よくよく考えると2年に1回は数ヶ月奈良を離れていて、3年間ずっと奈良にいた (最後の1年は京都) のは、助教になってからが初めてであったが……。

共著での発表であった hiromi-o さんのポスター発表も、そこそこ人が聞きにきてくれる。日本語教育の専門の方々と話すと、やっぱり勉強になる。どこまで通じてどこからが通じないのか、ときどき話してみないと分からないので……。