IBIS 2012 2日目: 隣の分野から見たらどう見えるか

IBIS 2012 の2日目。午前中のセッションは、ヘルスケアにおける機械学習の新展開というお題の招待講演。1回ゲノムシーケンサを動かすと1TBのデータができるそうで。折しも NTCIR-10 医療言語処理パイロットタスク の案内が来ていたが、自分も医療情報処理には興味があるので (主に看護に関する部分だが)、やりたい学生の人がいたらやってもいいかなぁ。たまたまやりたいことと一致する、あるいはメインの研究とは別にやるならともかく、シェアードタスクがメインの研究テーマになるのは避けたほうがいいと思うが……。

午後のセッションは同じくバイオのデータに対する招待講演。機械学習的な内容かと思ったら、想像よりもバイオ成分が強かった。自然言語処理の研究も、他の分野が専門の人から見ると、同じように見えるのだろうか。(けっこう扱っているデータの性質が他の分野と違う、という事情はあるかもしれないが)

夕方は2日目のポスターセッション。他の学会や研究会と異なり、IBISのポスターはものすごい熱気で、なかなか見て回るのが大変である。人が多すぎて歩くことすらできない……。昨日よりは企業の人が減ったような気はするのだが、言語処理学会ともだいぶ違う感じ。言語処理学会の年次大会も、来年はポスターの比率を現在の1.5倍にするそうで、雰囲気は変わるかもしれないが、これだけポスターに活気があるといいなぁ。

ポスター終了後、プログラム委員で集まって奨励賞の選考。若手の研究を奨励するという趣旨だそうで、どこまでが若手か、というのが難しい、という話は、どこの分野でも問題なんだなと思ったりする。受賞者の選定もいろいろ気にしないといけないことがあるのだなと……。今回初めてこういう学会・研究会の受賞プロセスに関わったが、けっこうエネルギーを使って賞の選考をしていると感じる (どういうプロセスで決まっているのか、よく知らなかっただけだが)。自分は末席を汚しているにすぎないが、いろんな研究に触れることができて (20本くらいは提出論文を見ただろうか?)、実りある経験ができた。


懇親会では久しぶりに [twitter:@jnishi] くんと [twitter:@jkomiyama_] くんと話す。10年来の後輩である (ちなみに @jkomiyama_ くんはいま東大中川研の D1 だそう)。ひょんなところで昔からの知り合いに会えると嬉しいものである。2人とも元相談員なのだが、両方を知っているのは自分だけということで、いったいどんだけ自分は相談員をしていたのだろうかと思ったり……(ほとんどの人が本郷に移る中、自分はずっと駒場にいたせいかもしれないが)。よくも悪くも相談員だった人たちはユニークな人が多かったなぁ。相談員になっていなかったら、自分は卒業できていたかどうか分からないくらいである。今も自由に行きている人が多くて、清々しい。