オンリーワンの仕事をする

朝から雨。台風2号が来ているらしい。

この1週間、朝起きても疲労が回復していないのだが、肝機能が低下しているのだろうか。う〜む。

NAIST の図書館にあった「オンリーワンに生きる--野依良治教授・ノーベル賞への道」(読売新聞中部社会部)を読む。

オンリーワンに生きる―野依良治教授・ノーベル賞への道

オンリーワンに生きる―野依良治教授・ノーベル賞への道

最初「なんで中部社会部なんだろう?」と思ったが、名古屋大学だから中部だった。なるほど。

ときどき数行書かれている「野依教授の一言」はないほうがいいと思うが、元々読売新聞に連載されていた記事がベースになっているので、本文は平易に書かれているし、人間模様も分かっておもしろい。京大から名古屋大の助教授に大抜擢されたとき、名古屋大学に移った直後アメリカに留学することが決まっていて、着任直後穴を開けるのを気にしていたら「どうせ京都に戻ってくるのだから、別にいいじゃないですか」と言われ、「そんな恩知らずなことはできない」と激怒した話とか、教授になるとき京都大学での上司から「研究室の立ち上げのときは優秀な人材が必要だ。誰でも連れていきたい人を連れていきなさい」と言われて助手やら院生やらを連れて移籍したという話とか、大学における研究者の生き方について考えさせられる。

あと、前半部分はそういう形で野依教授の半生記なのだが、後半1/3の息子さんによる手記もおもしろい。息子が読売新聞の記者で、実はノーベル賞の受賞会見のとき最初質問したのは息子さんだったとか、子どものころから化学をしようと思っていたのにどうしても大学受験がうまく行かず文系に進み、そのとき親に相談したら「好きなようにしなさい」と言われたのだが、あとで親が別のところで書いた文章で「息子には化学以外の道を進ませた。化学に進むとどこまで行っても "野依の息子だ" と言われてプレッシャーを感じてしまうだろうから、これでよかったと思う」と書いてあるのを見つけたとか、なるほどな〜と。(息子は自分で考えて親に許可をもらったつもりなのに、親からすると「進ませた」ということになっているのとか、認識が食い違っているが(笑))

「野依教授の一言」で確かにそうだと思ったのは、東大はナンバーワンを目指し、京大はオンリーワンを目指す、ナンバーワンは誰かと比較して自分のほうが優れているという研究だが、それより君たちは誰にも真似できないオンリーワンの研究を目指してほしい、という話。自分もオンリーワンの研究をしたいものである。