保育園のお迎えは1分が命

今日は夫婦で保育園の送りをする。帰りが雨であることが予想されたので、妻が自転車で出勤しないためである。そういえば、保育園の連絡帳で「母」「父」と書くと自分の感覚では自分の親(娘からすると祖父母)のことを指すように感じるのだが、どうも自分たちのことを指すようである。娘の彼氏から「お父さん」と呼ばれて「私はお前のお父さんじゃない!」と怒る、という古典的なジョーク(?)があるが、誰から見たときの父か、というのはそこまで自明な表現ではないと思った。(自分も最近はあまり言語使用に目くじらを立てるわけではないので、数ヶ月もしないうちにこの使い方に適応するのだろうけど)

午前中、以下の論文

  • Richard Johansson and Pierre Nugues. Dependency-based Semantic Role Labeling of PropBank. EMNLP 2008.      

を紹介してもらう。依存構造解析を用いた意味役割付与の話で、これまでにも依存構造解析を用いた手法はあったが句構造解析を用いる手法に及ばず、本論文が初めて依存構造を用いて句構造と同等の手法を達成した、というのが主な貢献である。よく読んでみると、同時解析と言う割にはパイプラインで N-best を出力してリランキングしているだけで、名前に偽りありだと思うが、結果自体は納得。

同時解析というなら、もっと依存構造解析と意味役割付与を一緒に学習・解析してほしいものである(省略の多い日本語はともかく、英語ならたぶん可能なはず)。

勉強会のあと、少しだけ研究相談を受け、そのままコース幹事の仕事。年明けは大学運営に関わる仕事が多すぎるのだが、なんとかならないものか。年間にならすと1/10くらいのはずだが、ここ2週間は1日の仕事の時間の1/3くらい取られている。コース幹事とか大学院入試だとか、たまたまこの時期に仕事が多いので、来年はもっと負荷分散されることを期待したい。

午後は学部3年生のプロジェクト実験の冒頭の時間を15分ほど使い、研究室配属申請について説明する。うちのコースは教授・准教授それぞれが独立した研究室を持っており、学生数が50〜60人いるところに教授・准教授が合計13人いるので、だいたい1研究室あたり平均的には4人程度受け入れればいいことになる。とはいえ、学生が多すぎる・少なすぎるのも問題なので、今年は最低3人最高5人の枠内に入るよう、自主的な調整を促すのであった。溢れた場合は成績順に決定する、とアナウンスしているので、学生同士の調整に任せても、神の見えざる手よろしく、教員側でほとんど調整しなくても割と収まるようである。

説明会のお仕事を終えて、教授会へ移動。教授会の資料が一部電子化されたのに従って、説明のときスクリーンを使うようになったのだが、部屋が縦長で遠くの人は見えないので、次回からスクリーン2つにするようだ。少しずつ効率的になっていき、よいことである。NAISTの会議室は座席2つか3つに1台画面がついていたし、そういう会議室って作らないのかなぁ。(今年完成予定の新実験棟の中にそういう部屋を作る計画が存在していなければ、現況の建物では対応できないと思うし、次に何か作るのは20年後、みたいなスパンだろうが……)

夕方は言語処理学会の年次大会の原稿に添削を入れ、返却。文章を書き込むのはPDFのほうが楽なのだが、矢印を書いたり線で囲んだりするのは紙ベースの方が簡単。今年度は GitHubLaTeX のソースにコメントを入れようと思ったが、こちらでソースを変えるのは本人のためによくないので最小限にしたいし、結局ソースを見てコメントをしたりはせず(細かい LaTeX の書き方で教えたいことがあれば pull request を送って参考にしてもらうだろうけど)、紙と PDF という従来の方法でコメントを返している。

さて、これで執筆中の学生全員の第3稿に赤を入れたことになる。一番早い人は第5稿まで進んでいるので、明日には仮投稿できそうである。この研究室のメンバーで初めての言語処理学会の年次大会の投稿になるので、ちょっとドキドキである。

帰りは17時半に大学を出たのだが、お迎えの時間、18時半を数分過ぎてしまった。いつもこの時間に帰らない(オフピーク通勤している)ので忘れていたが、17-18時はは混雑しているので、余裕があったほうがよい。やはり来年度は17時には大学を出たほうがよさそうである。